建学の精神や教育理念、こういった目に見えず、数値化もできないものを
どこまで重視するかは、人によって違うと思うけれど、
私個人としては、しっかりしたものがあってほしいと考える。
一方で、説明会やホームページでは、建学の精神や理想を仰々しく語る割に、
教室の様子や先生の言動からは、それらを全く感じられないということもある。
だが、現実と乖離した絵空事なら、あってもなくても同じかというと、
そうではないと思う。綺麗事のような精神であっても、
少なくとも学校を律する「重石」にはなると思うからだ。
まぁ、(主に)校長先生の話に現場の空気感が感じられない場合には、
どれだけ立派な教育理念であっても、逆にガッカリすることもある。
その年、大きな変革があって、巷で大いに話題になっている学校であっても、
現場が置いてけぼりになっている印象が拭えないときには、勧めにくい。
さて、この大きな理念とは少し違う話になるが、
同じ学校に通う、それぞれ違う個性を持った生徒から、
似通った特徴を感じたことはないだろうか。
大きく言えば、これも「校風」ということになるのかもしれない。
学校での進路指導がほとんどないのに、
生徒の大半が自然と東大・京大を目指す学校もあれば、
「就職がいいのは……」と、現実路線で早慶を選ぶ子が多い学校もある。
こうした違いには、その学校の伝統的な空気感や、先輩の姿を見てきたことが
影響しているように思う。
また、いわゆる偏差値の高い、入るのがとても難しい学校なのに、
(謙虚ということではなく)常に自信がなさそうで伏し目がちな子が多い学校もあれば、
逆に、入試自体はそこまで難しくないのだけれど、通っているうちに、
自己肯定感の塊みたいになる子が多い学校もある。
あるいは、(当人たちに悪意はなくても)人へのイジリが強い子が多い学校や、
気立ての優しい子が多い学校……。学校のカラーは、こんなところにも表れる。
こうした特徴を持つ子が、クラスに一人や二人という話ではなく、
ある程度の数いるとすれば、その学校の環境や、現場の先生たちの関わり方が、
そのカラーを育んでいる可能性は低くないと思う。
本日、神大の説明会を開いていただいた。
参加された方から「どんな生徒が多いか?」という質問があったのだが、
ここでの先生の回答が興味深かったので、少々補足して紹介したい。
入学時には、ギラギラとした上昇志向を持つ子は、あまりいないイメージ。
どちらかというと、「このくらいでいいや」と思っている感じだそうだ。
ところが、6年間の学校生活の中で、様々な体験をさせていくからか、
段々と「チャレンジしてみよう」という気風が生まれてくる。
ちょっと女子が強い時もあるけれど、男女間にはリスペクトの気持ちがあり、
穏やかな性格の子、笑顔の子が多い。
学校の取り組みや力を入れるポイント、あるいは進学実績などは、年によって変化する。
けれど、こういった学校のカラーは、そう簡単には変わらない。
神大に通ったら、どんな人に成長するのか。
学校の数字を見るより、先ほどの先生の回答の方が、
その姿をイメージできるかもしれない。
