男子の進路指導の際、男子校がいいか共学校がいいか、という話題になることがある。
世の風潮として、男子校はすでに絶滅危惧種であり、
実際、神奈川県内の男子校は数えられるほどしかないから、
志望校を男子校に限定するのであれば、選択肢はどうしたって限られてしまう。
だから、仮に男子校志望だとしても、共学校についても検討しておかないと、
自分の実力の伸び具合によっては、(6年生になってから)苦しくなる可能性がある。
と、早い段階でどちらかに決めつけてしまわないことが、
後々の心のゆとりや平穏に役立つということは、大いにありえると思っているのだが、
とはいえ、男子校と共学校については、どちらが良いとか悪いとかではなく、
全く別物であることは間違いない。
兄と妹、あるいは、姉と弟、という家族関係を経験している人なら、
(血が繋がっていたって)それだけでも全く違うことを身をもって知っているはずだ。
もちろん性差以外にも、個人差、個体差はあるに決まっているのだけれど、
女の子にならスムーズに伝わる声かけが、男の子にはク⭕️の役にも立たない、
こういうことが往々にしてある。
大人(主に親)が、先々のことを見据えて(逆算して)、
これからどうするべきか、どうしておいた方がいいか、
そのやるべきことをしなかったら、どんな失敗をしてしまうか、
そんな話をどんなに論理的に、具体的にしたところで、
男の子がその忠告を参考にして、コツコツと努力をし始めるイメージを持てるだろうか?
うんうん頷きながら聞いていたとしても、まぁやらない。
やったとしても、3日坊主ならマシな方で、1日でやらなくなることも多い。
要は、失敗も含めて、実際に自分がそうなってからでないと気づかない。
まだ、そうなって(失敗して)いないものを、今後そうなるかもしれないから、
今のうちから努力しておけ!なんてことを、男の子が受け入れるかというと・・・。
大体、男の子は一度失敗してもなお学ばず、同じ失敗を何度もしがちだ。
男の子が全員そうだとは言わないが、そういう男の子が多いのは、
なんとなく経験的に頷けるのではないか。(もちろんこういう女子もいると思うけれど。)
つまり、女の子になら伝わりやすい声かけ、意味のある動機付けが、
男の子にもそのまま有効かというと、そうとは限らないし、
むしろ逆効果のこともある。
(もちろん逆も然り。男の子に有効な声かけが女の子には通じないこともあると思う。)
まぁ、男らしさとか女らしさとか、そういう言葉さえも時代に合わないものになっているが、
実際問題、違うものは違うものなわけで、、、
大人になったら、先を見据えて失敗しないように行動する力も、
ないよりはあった方がいい。わざわざ失敗をしなくてもいいと思う。
だが、子どもの頃は、たくさん失敗した方がいいとも思う。
失敗しないように先回りするよりも、
失敗から学んだ方が、得るものが大きいこともあると思う。
男子校は、男子が大いに失敗し、恥をかける環境だと言ってもいい。