おかぽ先生といたときに、こんな話になった。
「『寺』って漢字あるでしょ?
あれ、『土』を書いた後に『寸』って書くじゃない?
『寺』は、『土』の下の横線の長さが一番長いんだけど、
大人でも、その後の『寸』の方の横線を、
かっこつけて、ビッて長く書いちゃうんだよね。
でも、漢検とか中学受験とかでは、それだと良くない。
だから、『寺』を書くときは、(例えば『詩』や『持』など)
いつもそれを意識しておくように!って言うんだけど、これが難しい。
意識するようにさせるってのは、時間がかかるんだよ。」
この「意識する」ようにさせるのは、本当に難しい。
算数でいうと、例えば、数字の「0」と「6」を雑に書いて、
(自分でも読み間違えて)計算ミスをするタイプの子は多いのだが、
「0」と「6」を書くときは気をつけよう!綺麗に書こう!
と声をかけても、即座に気をつけられるようになった子を見たことがない。
問題文に542円と書いてあるのを、
524円と読み間違えたり、書き写し間違えたりする子に、
数字をもう少し注意深く見よう!
書き写すときには、写し間違える自分のクセを理解して気をつけよう!
と声をかけるが、まぁ直らない。
4年生からずっと言い続けたって、改善されるのは6年生の終盤であることが多い。
そのくらい、自分が無意識でやってしまうことを直すのは難しいのだ。
僕はよく、「中学受験は学力もだけれど、性格的なところに左右されることが多い。」
「むしろ、学力が伸びるかどうかも、自分の性格との戦いになることが多い。」
と言うのだが、上で述べてきたようなアドバイスを、
気をつけてその通りにやってみよう!意識してみよう!と思えたら、
それだけで伸びる可能性が十分にあると思う。
そしてまた、その意識を常に保って実践できたら、間違いなくできるようになると思う。
逆に言えば、勉強を得意にしたい!できるようになりたい!
と思っていても、それで問題をたくさん解いたとしても、
この「意識」なく取り組んだのでは、安定した力はつかない。
先生が話(授業)をしている最中、それが3分、5分と長くなってくると、
いつしか集中力が切れてボーッとしてしまう子や、他のことを考えてしまう子なら、
最後までちゃんと聞こう!と意識する(意識を保つ)ことで変われる。
「意識」1つで今までと全く違う自分に変われるのだ。