さて、なぜか受験シーズンになると、
毎年のようにSNS上で話題になる「中学受験か高校受験か」論争。
こんなものは、個人の考え方や価値観、好き嫌いによるので、
1つの考え方に帰着するわけがない。
そして、それでいいというか、それがいいのだと思う。
他人を、自分と同じにさせる必要がない。
この話をしたくて、長ネギのことを、いや、正確には、
『長ネギを食べないことについて、あれこれ言ってくる人』のことを書いたのだ(笑)。
まぁ、長ネギのことをあれこれ言ってくることについては、
言う方も言われる方も半分冗談というか、ふざけて言い合っているだけだが、
冒頭の「中学受験か高校受験か」論争や、「別学がいいか共学がいいか」論争、
あるいは、「大学附属がいいか附属ではない方がいいか」論争などでは、
自分と異なる考えの人を、本気で言い負かそうとしていたり、
否定したりしようとしているのをよく見かける。
しかしこれは、なんとも不毛な議論であると思う。
と言いつつ、私自身は中学受験を(相対的にではあるが)良いものと思っているので、
私に語らせたら、中学受験を推奨することになるのも事実である。
中学受験塾の先生なのだから、高校受験でなくて中学受験を勧めるのは当然だろう!
と思われているかもしれないが、私の中では、それは順序の違う話だ。
私はたまたま中学受験を経験して、私立の中高一貫校で育ったから、
中学受験の良さ、中高一貫校の良さを知っている。
また、中学受験も高校受験も、大学受験も指導した経験があって、その上で、
自分たちで中学受験塾を作ったわけだから、これが私の(人生の)選択である。
自分たちで会社を作るのだから、自分のやりたいこと、良いと思っていること
をやろうとするわけで、つまり、私は、中学受験塾をやりたくてやっているのだ。
だが、これは私の考えと価値観ではそうなるというだけのことであって、
他の人に強要しようなどとは全く思っていない。
高校受験を選択する人、推奨する人のことを否定する気は全くない。
考えが違うだけのことである。
中学受験をしたい人が中学受験をして、高校受験をしたい人が高校受験をする。
ただそれだけの話だと思っている。
意見を戦わせることもなければ、論破なんて全く必要ない。
(と言いながら、主人が中学受験に反対しているので説得してほしい
というご相談を受けることがあって、ここが難しいのだが…)
ところで、私は中学受験の良くない面も知っている。
このほとんどの原因は、子どもにはない。大人の側にある。
やらせ方を誤ると、最終的な結果などどうでもいい次元の話になって、
しこりや傷、禍根を残す。ここが中学受験の負の側面としてクローズアップされて、
ネガティブな論調になるのだが、この原因は、中学受験の制度の問題ではない。
逆に言えば、そこを誤りさえしなければ、中学受験は良い経験になると思う。
と言ったところで、これも結局個人の感想でしかない。