ダラダラしているのは

ウチの子は、こんな時期になってもまだ
「ヤル気がない。」「毎日ダラダラと過ごしている。」
と、家での子どもの様子を聞くことがある。
それを毎日のように見ているお母さんは、
常にヤキモキ、あるいは、イライラされていることと思う。
また、在宅ワークの日が増えたお父さんが、そんな様子を見てしまったら、
激怒するか、もう期待するのを止めるなんてこともあるかもしれない。

 

だが、私は医学の専門家ではないのだが、
毎日ダラダラと過ごしている(ように見える)のは、
必ずしもヤル気が無いからではない!と、声を大にして言いたい。

 

確かに、ヤル気が無くてダラダラしている子も、どこかにはいるだろうし、
本人の意思と無関係に、無理やり勉強させられていて、
ヤル気の上がらない子もいるかもしれない。
しかし、この時期の受験生の中に、ヤル気が無い子というのは、
よっぽどのことが無い限り、そうはいない。

むしろ、ちゃんとやろうとは思っているのだ。
だが、不安の方が大きかったり、
自分の今の気持ちが不安であるのかどうかもわからなかったり、
やることが多過ぎて、どこから手をつけていいかわからなかったり、
どこがわからないのかわからなくなっていたり…
という理由で、何も手につかない状態になって、
結果として、ダラダラしてしまうのだ。

その不安な状態、不安定な心理状態で、
「ヤル気を出せ!」「ちゃんとやりなさい!」「やらないなら、もう辞めなさい!」
なんて、もはや叱咤でさえない言葉をかけられたりすれば、
その子はもっと追い詰められてしまう。

 

ヤル気が無い時の緊張感の無い様子と、
ヤル気はあっても不安が強すぎる場合の緊張感の無い様子は、
区別がつきにくい。
そして、大人はついつい、不安を取り除くためには、もっと勉強するしかない!
と、そういう大人の世界の次元でアドバイスを言ってしまう。

だが、子どもが求めているのは、そういうことじゃないのだ。