志望校の決め方は、人それぞれ、御家庭それぞれですが、
気を付けなくてはいけないのは、
ある人にとって良い学校だったからといって、
その学校が別の人にとっても良い学校であるとは限らないということです。
学校の悪口を言いたいのではありません。
実際、それぞれの学校の先生も、
「ウチ(学校)のことをきちんと知った上で来てほしい」と言っています。
そのためには、偏差値や実績で決めないのはもちろんのこと、
評判や名声すらアテにし過ぎてはいけないということです。
例えば、僕の通った中高は、僕にとっては最高の居場所でしたが、
だからといって、誰彼構わず勧めることはできません。
とある6年生が、そこの文化祭に(お母さんに)連れて行かれたとき、
その文化祭の様子を見て一言、
「お母さんは僕を壊したいの?」と言ったそうです(苦笑)。
僕の母校は、その子にとっては、全く魅力を感じない破滅的な学校だったわけです。
僕は、その話を聞いたときに、「母校もいいところあるのになぁ…」
なんてことは、全く、本当に1mmも思いませんでした。
この生徒は聖光に進学しましたが、そちらの方が合っているだろうと思いましたし、
後々、そこでの学校生活を楽しんでいるのを聞くたびに、やっぱり!と思ったのです。
勉強を頑張ったこと、それ自体に価値があるのはもちろんですが、
せっかく頑張ったのに、その本人とミスマッチな学校に進学してしまうのは、
もったいないですからね。
ちなみに、これは親兄弟であっても同様です。
お母さん(お父さん)の母校が、娘さん(息子さん)に合うかどうか、
お兄ちゃん(お姉ちゃん)の進学先が弟(妹)にも合うかどうか。
性格やタイプが違えば、育った環境が違えば、そして時代や社会が変わっていれば、
合わないことも十分考えられるのです。
しかし、この判断は口で言うほど簡単ではありません。
上に書いた聖光の子は、その判断を自分でできましたが、
(そして、その判断を聞いて、周りの大人もその方がきっといいと思いましたが)
普通は、その判断を小学生がするのは難しいように思います。
文化祭に行って、「楽しかった」という感想を持つことは多い気がしますが、
そこで、楽しかったけれど、自分には合わないと思う、
そういう判断をすることは、小学生には難しい気がします。
そして、その逆はもっともっと難しいと思います。
すなわち、文化祭はそんなに楽しくなかったけれど、自分に合いそう!
こんなことを思える小学生は、そうそういないと思います。