6年生の夏、秋頃から、
『〇〇中学対策』という特別感のある講座を設置する塾は多い。
塾によっては「予想的中!」と、大々的に宣伝したりする。
(プライドのある塾は、はしたないのでわざわざそんなことはやらない。)
予想的中!なんて文字を目にすれば、その講座を取らなかったことで、
我が子だけが不利益を被るかもしれない、合格から遠ざかるかもしれない
と不安に駆られるのも、なんとなくわかる気がする。
また、その講座は、塾の規模が大きくなればなるほど、
ある一定ライン以上の成績を収めていないと、受講する資格をもらえない。
つまり、誰もが受講できるわけではない分、さらに特別感が出るので、
高額な費用であっても、人気の講座になってしまうのかもしれない。
だから、塾側もその講座の受講を、強気に、半強制的に勧める。
「当然取るよね」「取らなかった子で受かった子なんて過去いませんよ」
というような圧を、子どもだけでなく、親にもかけることがある。
さらには、塾によっては、他塾の生徒ですら、受講可にしたりする。
他塾の子まで囲い込んで利益を上げ、合格した場合は実績にもカウントする。
一石二鳥!なんと見事なシステムだろう!!!
だけど、通常の塾と特別講座と、さらに家庭教師や個別も組み合わせて、
月に20万どころか、30万以上も払っているご家庭があるのを聞くと、
まぁ経済を回すという点ではいいのかもしれないけれど、
いやはや、(お金は)あるところにはあるんですねぇ…と驚かされる。
確かに、最難関中学の過去問を家で解いて、
その指導(丸付け・直し)を親が担当するのは、なかなか大変であるから、
背に腹は代えられないというのもあるだろう。
また、同じ志望校の子だけを一教室に集めて競い合わせると、
ライバルであり、同志でもあるという一体感がヤル気を引き出す。
そういう面もあると思う。
だが、家庭教師として、サポートしていた頃の経験で言うならば、
この特別講座で使用するテストは、過去問の焼き増し(数字換え)であったり、
過去問題をちょっとアレンジしたものであったりすることが多く、
その塾が予想した問題といえるかどうかは疑わしい。
過去問の中に無いような問題の場合には、別の中学の入試問題に似ていたり、
あるいは、ただ流行りに乗っただけのような問題であったり、
ひどい場合は、その学校の入試問題に似ても似つかないことさえある。
一年前、二年前と全く同じテストを使い回していることもよくある話だ。