こう書くと、ただの他塾批判と捉えられてしまうだろうけれど、
先にも書いた通り、過去問指導を塾でも家でもやれないなら、
これに頼るしか方法は無い。だから、仕方がないのだ。
そして、他塾だって、普通はこれを無料でやるわけにはいかない。
最難関校にだけ特別講座を用意して、しかもそれを無料でやったりすれば、
それ以外の志望校の子や、成績最上位の子以外から不満が出る。
その講座が有料であるから、あるいは高額であるから、不満が抑えられる。
話は少々脱線するが、
こういう特別講座がなぜ最難関校向けのものしかないかというと、
最難関校の入試問題が、それぞれ特色のある、今風に言うと
「クセがすごい」入試問題だからである。
逆に言えば、難関校くらいでは、
基礎問題を少し応用するだけで解ける問題ばかりなのだから、
特別講座を設置する必要が無いという判断なのだと思う。
しかし、それは、ターゲットを成績上位層に絞った場合の話である。
成績中位層であれば、難関校の入試問題にも十分クセを感じると思うし、
さらにその下の層であれば、通常の塾の授業で応用問題を解かされてしまう分、
自分の志望校でよく出題される基本問題を学習する機会が足りていない。
だから、基本問題だから大丈夫でしょう?という態度は、
すでに成績上位者しか相手にしていない態度であるともいえる。
話を戻そう。
結論として、この他塾のやっている有料の特別講座に対して、
僕自身は批判的に見ているかというと、全くそんなことはない。
特に受験まで半年を切ったあたりで、何をやらせたらいいかを
親がいちいち考えるのは大変である。
もちろん、子ども自身が考えるのも難しい。
ピントのずれたことをやらせてしまうのはよくない。
過去問の採点も、プロでないと難しいと思う。
だから、ある意味では、この講座にかかる費用は安心料みたいなものである。
また、同じくらいの学力の子や、自分よりはるかにできる子と共に学んだ
という経験に価値を見出すこともできると思う。
そこに価値を感じられる人なら、受験結果が望んだ結果でなくても、
良い受験勉強、良い経験だったと思えるだろう。
逆に、そこに価値を感じられない人には、この講座はリスクも大きい。
わざわざ高額なお金をかけたということもそうだが、
それよりも、その中での何人受かったとか、〇〇くんは受かったとか、
そういう結果がダイレクトに見えることでのショックを受けると思う。
そして同時に、こういう特別講座を結構な金額で他塾がやっているから、
ウチのような塾にプラスの価値が生まれるということもある。
すなわち、志望校対策をオプション講座として取らせることもしないし、
難関校に限らず、全ての子どもの志望校に合わせて、個別に指導する。
第一志望に限らず、第二第三志望校に対しても同様に指導し、質問にも答える。
完全な棲み分けになっているから、好きな方を選んでいただければと思う。