小学5年生からの塾通いは相当キツイという話を先週書きました。
ただ、これは一般論としての話です。
実は、遅れて入塾してきた子の中に、それまで塾に何年も通っていた子たちを、
あっさりと、ごぼう抜きしていく子がいます。
地頭が良い子、ポテンシャル(潜在能力)が高い子、
などがこの例に相当しますが、この子たちにもう1つの共通点があります。
それは、脳と心が疲れていないということです。
早くから塾通いをしている子、
いえむしろ、させられてきた子と言った方が適切かもしれませんが、
その子たちの中には、5年生の時点ですでに疲弊しきった子がたくさんいます。
日付が変わるくらいまでやらないと終わらない課題。
毎週繰り返されるカリキュラムテストと、それによるクラス替え。
常に誰かと比べられ、競争させられる緊張感、プレッシャー、ストレス。
受験する当の本人よりも、ヒートアップしている親からの圧。
じゃぁ、どうしたらいいの!?
地頭の良い子に勝つには、早くからコツコツやらせるしかないじゃない!
と、お考えの方は、中学受験をマラソンのように捉えているのかもしれません。
高校受験や大学受験に関しては、そういう面もあるかもしれませんが、
こと中学受験に関しては、マラソンのように捉えていると
途中で息切れしてしまうことがあるように思います。
例えば、小学校4年生から塾通いを始めたとして、365日×3年を
毎日同じずつ頑張れる人がいたら、それはもうただただ尊敬しますが、
しかし、子どもの体のことを考えたら、4年生と6年生で同じだけ頑張るのは、
現実的ではないし、むしろ良くないことだと思います。
「頑張るべきタイミングで頑張る」
この方がいいと思います。
マラソンではなく、短距離走が何回もあるイメージと言いましょうか。
サッカーを見ていると、よく出てくるスプリントという言葉のイメージです。
(サッカーのスプリントとは、10~30mという比較的短い距離を
時速24km以上で走ることです。←50mを7.5秒以内で走るスピード。
ちなみに、昨年のワールドカップの日本対ベルギー戦で、
長友選手の走行距離は11,504㎞で、そのうち、スプリント回数は56回でした。)
さらに付け加えるならば、
その短距離走以外の時間に、むやみやたらと走り続けないことが大事です。
ここで走り続けると、疲弊するのがもっと早くなるだけです。
一方で、今の話と矛盾したように聞こえることを言います。
その短距離走以外の時間は、遊んでいればいい!と言っているわけではありません。
机に向かってやるものだけが勉強ではありません!
読書や工作、お買い物のお手伝い…いくらでも学べるチャンスはあります。
結局、ここが難しいのですが、
子どもに自由な時間を与えても、その時間を有意義に使えないから、
課題を与え続けたくなる!では、良くないです。
いざ受験生になった時、ヘトヘトに疲れ切っていては戦えません。