東京、神奈川の中学入試がスタートするのは2月1日。
その初日、私が入試応援に行くことになったのは桜蔭中学校。
男子の難関校に応援に行ったことはあるのだけれど、桜蔭は人生初。
小学校6年生の男子は、最難関校を受験するくらいであっても、
精神的には幼いことがまぁ多いので、入試の当日でも子どもっぽさがあるのだが、
女子は違う。特に、桜蔭ともなると、もう別格である。
顔つき、佇まい…なんというか、風格からして違う。
よく、緊張をほぐすために、
試験会場では、隣の人をカボチャと思え!なんて話があるけれど、
ここでは、どこを見渡してもカボチャなんていない。
6年生にして、どの子もすでに凛々しいのである。
応援に向かう電車の中でも、何人もの受験生と、そのご家族を見かけた。
きっと桜蔭に向かっているその受験生たちは、
自分の鞄は自分で持っていた。ご両親に持ってもらっている子はいなかった。
また、座席が空いたからといって、ご両親より先に座ることもなかった。
ご両親から「座ったら?」と声をかけられて座る子もいたが、座らない子もいた。
「あとちょっとだから立ってていいよね?」と、声をかけるお母さんもいた。
試験会場の入り口まで塾の先生が立ち並ぶ様子も、
他校と比べて、落ち着いている印象を受ける。
男子なら、どこか遊びを捨てきれずに、この日を迎えている可能性もあるが、
ここに受験に来る女子たちは、相当ストイックに過ごしてきた可能性が高い。
その頑張り、その姿勢を、塾の先生もリスペクトしているのだと思う。
日本で一番の女子校を受験するという自負。周囲の期待。不安やプレッシャー。
色々な思いを抱えて、その試験に臨むとき、平常心でやれるかといったら、
これは難しい。
いつも通りやればいい!そう自分に言い聞かせても、そんなに簡単にはいかない。
それでも乗り越えなくてはいけない。できるか!?
サーパスの生徒に会えた。
うん、いい顔だ!
緊張してるか聞いたら、「うん」と短く返事をする。
自分の心理状態をきちんと把握できているのは、いいことだ。
緊張するのは当たり前。でも、浮ついた感じは全くない。
これならいい緊張感で臨める。
最後に握手。
華奢な手に驚いた。
こんなに小さな手で頑張ってたんだなぁ。
送り出したあと、1度振り返ってくれた。
うん、大丈夫。
凛々しい。