ガッと集中

1問1点で200問の(範囲の決まった)漢字テストを実施し、
190点以上を合格としたとする。
そして190点に満たなかった生徒については、
再テストを受けるように促したとする。

範囲が決まっているとはいえ、190点以上というのは、
そもそも厳しい要求であることは間違いないが、
再テストでも全く同じ問題を使用するのであれば、
最終的にその条件をクリアすることが、
とんでもなく厳しいものだとは考えていない。

ところで、このテストで189点取った人がいたとしよう。
再テストでは、あと1点多く取りさえすればいい。
そう考えると、とても簡単なことのように思える。

ところが不思議なもので、あと1点と思って
190点を目指してしまうと、これが案外取れない。
1回目で不正解だった1問をせっかく正解したのに、
1回目で正解だったところでミスをして、点数が下がることさえある。

人間だからミスはする。
ミスをしても190点を超えられるよう、200点取れる勉強をした方がいい。

しかし、また勉強し直すのを億劫に思うと、ついつい189点取った自分を過信する。
次も189点なら取れると思ってしまうのである。
下手な鉄砲とまでは言わないが、きちんと勉強することなく
むやみに数を打とう(再テストを何度も受ける)としてしまう。

それでもやらないよりはマシと言うかもしれないが、
きちんと勉強してから再テストを受け直す方が、身になる。
実際に手を動かして、書いておぼえた方が、テストの後も忘れにくい。

完璧を目指すあまり、再テストをいつまでも受けられないようなタイプには
別のことを言うかもしれないが、
点数に変化のない再テストをやみくもに受け続けるとか、
再テストを受ける準備が整わないと言って日にちばかり経つとか、
そういうのはもったいない。
こんなもんに長々と時間をかけない方がいい。
ガッと集中して、さっさとできるようにしてしまう方がいい。