全国学力調査の結果分析から、年収の多い家庭の子ほど成績が良い傾向があることが28日、文部科学省が委託した初の全国調査で確認された。
平均正答率の差は最大25.8ポイント。
塾や習い事の支出が「ない」家庭と「月5万円以上」では、最大28.2ポイントの差があった。
家庭の年収と子どもの学力の関係について、国が全国的な調査・分析をしたのは初めて。
お茶の水女子大の耳塚寛明副学長(教育社会学)の研究班が実施。
昨年4月に全国の小6と中3を対象に実施した学力調査について、抽出した公立学校778校で保護者3万9981人へのアンケートと子どもの結果を分析した。(3月28日の朝日新聞より)
国が全国的な調査・分析をしたのが初めてと書いてあるが、こんなことは昔から言われていたし、感覚としてわかっていた話。
「読書」「親との会話」「規則正しい生活」「親が学校行事に積極的に参加しているかどうか」なども子どもの学力に関係があるとのことだが、まぁそれも含めて改めて驚きはしない。
子どもの学力はテストではかったとして、それぞれの親の年収はどういう形で調べたのだろう?とか、
大々的に発表した割には調査結果が当たり前すぎて、何だか押しつけがましいなとか(笑)、
ついついうがった見方をしてしまうのは悪い癖だが、国が関わっている以上、まぁ妥当な調査ではあったのだろう。
ただ、最終的には、子ども自身にやる気がなければ学力はつかないわけで、教育費をかけさえすれば良い成績を取れるというわけではない。
スパルタで勉強をさせても成績は上がらないし、却って勉強嫌いにさせてしまうことの方が多いように思う。
ではどんな子の学力が上がりやすいかと言ったら、「勉強する楽しさ」や「知らなかったことを知る面白さ」などを経験的に知っている子なのではないかと思う。
そこについては、教育社会学ですでに結論が出ているようであるが、「勉強が好きだった親」「勉強の面白さを知っている親」と「勉強を嫌々やっていた親」「勉強は他の目的のための手段でしかないと考えていた親」とでは、教育に対する捉え方に違いが生まれてきてしまうので、
同じようにお金をかけていても効果が変わってくるのだという。
親の収入が多いほど子どもの学力が高いというデータは、それだけだと「収入の多さ」ばかりに目がいってしまうが、本当は「勉強が好きだった」親が、結果として高学歴・高収入であったり、あるいは「勉強の楽しさ」をうまく伝えていたりといったことであるのはおそらく否定できない。
もちろん、親に「勉強なんて何の役にも立たない!」「さっさと働け!」
などと言われながら、ナニクソ!と勉強した人もたくさんいただろうから親が全てではないが…。
で、結論は何だ?と言われると、ビシッとした決め台詞を用意しているわけではないのだけれど…
勉強の意味を「いい学校に入るため」、「いい会社に就職するため」としか思っていない人よりも、勉強自体の意味や価値について考えられている人の方が、どうやら学力がつくようだ。
もっと言うと、ここでいう学力とはテストで点数を取れるという程度の学力ではなくて、生きていくのに必要な『学ぶ力』なのだと思う。
さらに付け加えるのであれば、塾に通ったり中学受験できたりっていうのは、本当に恵まれているんだと思う。
今回の調査結果で『教育機会の均等』といった問題にますます格差がうまれていることがわかったわけであるが、その中で今の自分はどうやら恵まれた状況にいるらしいぞ!と、知っておくだけでも意味があるんじゃないかと思う。