色んな積み重ね②

ところで、算数のテストにおいて、いわゆる成績優秀者は、
計算ミスなどしないと思っている人もいるかもしれないが、
そんなことは全くなくて、実は、成績優秀者にも計算ミスする人は結構いる。
応用問題を解けているのに、計算問題や基本問題でいくつも間違えてしまい、
最終的に思ったほど点数を取れないタイプというのは、
経験上、成績優秀者にもかなり多い。

では、真の成績優秀者は、計算ミスに対してどう対処しているかというと、
一通りテストを解き終えた後、もう一度、解き直しをしているのだ。
この解き直しというのは、多くの子がイメージしている見直しとは違う。
見ているだけではなくて、本当にもう一度解いているのだ。
自分の計算力を疑い、時間いっぱい解き直しをしている。
時間の許す限り、極端に言ったら、最後の1秒までペンを動かし続けている。
ときには、同じ問題を二回どころか、三回も四回も解くことがあるし、
一回目と違う解き方で解くことや、逆算して答えを確かめることもある。
点数を取ることへの執念と呼んでもいいかもしれないし、
これだって、テスト時間内にできる積み重ねと言ってもいいと思う。

逆に、成績がそこまで取れていない子に限って、
この解き直しをおろそかにしている。
せいぜい、眺めただけの見直しで終わりにしているか、
ひどい場合は、問題を早々と裏返しにして、
テスト時間が終わるのをただ待っていたりする。

答案を裏返しにしたまま何分も無駄にしておいて、
計算ミスや書き写しミスで点数を落としているのは、
テスト中の時間の使い方としても、テストまでに準備してきた労力についても
非常にもったいないと思う。

 

余った時間で解き直しをして、間違いに気付けていたら、
算数ならあっという間に5点10点上がる。
まぁ、人間誰しも間違いはするから、あまりそれについてとやかく言いたくはないが、
仮にテスト自体がそもそも難しくて、手を付けられた問題も多くないようなときに、
そこでさらに計算間違いまでやってしまうと…ひどい点数になってしまう。

さらには、その結果を見て落ち込んだり、
ときには、親に叱られたりするのだとしたら、
せめて、その裏返しにしている時間は、そんなに長い時間ではないのだから、
あとちょっとだ!と思って、精一杯やったらいいのに!と思う。

 

もし、「解き直ししたって、どうせできない」とか「メンドクサイ」とか
そういう風に思っていたり、諦めたりする癖がついているのなら、
それも、そういう思考の積み重ねによるものだ。
そういう思考をやめるなり、あとちょっと頑張ろう!と思うようにしたり…
を積み重ねれば、いつしか全く違う自分になれると思う。