小学生の低学年の頃だったと思う。
(内容まではおぼえていないが)わからない問題があって、父に質問しに行った。
確かそれは自ら興味を持ってやっている問題ではなくて、
学校の宿題か何かで、やらなければいけないような課題だったと思う。
とにかく、質問しておいて、あまり興味がなかった自分は、
父の説明中にあくびをしてしまった。
その刹那、バーン!とビンタが飛んで来た。
それが「人にモノを教わる態度か!」ということである。
この時から僕は、父に質問することが億劫になり、
どうしても質問しなくてはいけないような時には、
かなりの緊張感をもって臨むことになった。
この子育てが正解なのかどうかは僕にはわからない。
わからないことを質問するのに身構えるようになってしまったから。
だけど、ある程度大人になった時に、
あぁあれは殴られるべきだったのだと思うようになった。
殴られてよかったと思った。
父にはよく殴られた。
母に叱られた後で、ふてくされてドアを後ろ手にバーンと閉めて
不満を表そうものなら、もう…(苦笑)
でも、これも今思えば良かったのだと思う。
もちろんこんな父親像は今のご時世には流行らないだろうけれど、
ダメなものはダメ!という指導は必要だと思う。
仮にそれがちょっと理不尽なものに思えたとしても、
それが今自分の所属しているところのルールなら
従うしかないんじゃないかと思う。
反抗期には、
「お父さんお母さんはわかってくれない」「先生はルールを押しつけるだけ」
なんてことを思うかもしれない。
だけどきっとそれが普通なんだと思う。むしろ大人が子供の顔色をうかがって、
子供のご機嫌をとっていたら逆に気持ち悪いだろう。
ただ反抗するだけでなくて、
自分はこうしたい!というような前向きな気持ちが生まれたら、
ちゃんと向き合って話を聞いてくれる大人もいるかもしれない。
こうしたい!という気持ちだけでなくて、それを実現できるだけの力を身につけたら、
その気持ちはもっと説得力を持って大人をも動かすだろう。
反抗期を迎えることは正常なことだと思う。
だけど、ただ反抗するという行為は決してかっこよくない。
かっこ悪くてダサイ。
刃物を振り回して遊んでいた生徒を殴った先生が罰せられる社会は、
むしろ健全でないように思うけれど、
この社会を逆手にとって反抗するような人にはならずに、
自分は「こうしたい!」という気持ちを
心の中でその時期が来るまで煮立たせているような、
パワーのある人になって欲しいと思う。