本日、サーパス生のご父母を対象とした
浅野中学校説明会を開いていただきました。
浅野中学校は、
勉強をガッチリ見てくれる、
大学合格実績の優秀な学校の1つ
と今まで認識しておりましたが、
今日は自分が不勉強であったと反省させられました。
それは浅野中学が勉強を見てくれないとか、出口がどうだとか、
そういうことではありません。
むしろ今、もう1つ上のステージに行こうとしているのを感じとれたのです。
話していただいたのは出井教頭先生です。
説明会の後に私たちも少しお話しさせていただいたのですが、
そこで先生が教育実習に行った時のお話をうかがいました。
出井先生が実習で担当することになっていた授業の1つは『正長の土一揆』。
実習期間は9月に2週間で、「夏休みを授業準備にあてなさい」と
実習担当の先生に言われたそうです。
『正長の土一揆』は教科書などでは、
1428年に馬借や農民たちが徳政令を求めて起こした一揆…
のような説明が数行あって終わりです。
これだけのことを準備するだけなら夏休みのような長い期間は
必要ないように思うかもしれません。
しかし、担当の先生に「まず現地を見て来なさい。」と言われたので、
奈良県にある「正長元年柳生徳政碑」に触れてきたそうです。
他にも、教科書とにらめっこしながら教えるような
「カンニング先生にはなってはいけない。」
「穴埋め(プリントばかりを多用する)先生になってはいけない。」
というような指導を受けたそうです。
大学受験において、穴埋め式・書き込み式教科書(プリント)は、
有名すぎるほど有名です。
おそらく相当多くの人がそういう勉強をして大学に合格したことと思います。
受験のために塾・予備校、あるいは家庭学習で
それらを利用するのは仕方ないこととして、
学校の授業はそうではないだろう!ということなのです。
子どもに何かを学ばせようとする前に、
教師自身が学ぶことに一生懸命でなければならない。
授業で伝えられることは本当にごく一部分で氷山の一角かもしれないが、
その一部分を伝えるためには水面下にその何倍もの研鑽がなければならない。
そして、その研鑽を教師が怠らなかった時に、
子どもに学ばせようなどと思わなくても、子どもは自ら学ぶようになるのだと、
そういうことをおっしゃりたかったのだと思います。
出井先生の言葉から、浅野中学が向かっている光が見えました。
出口が目的地なのか、出口さえも通過点なのか、これは大きな違いです。
先生がすでに持っているものだけで勝負するのか、
さらに成長しようとするのか、これも大きな違いです。
口で言うほど簡単なことではありませんが、
高みを目指す気持ちがあることが、まず素晴らしいことだと思います。