8年前のブログで、ワーキングメモリーについて書いた。
受け売りの知識でしかないが、
このワーキングメモリーを鍛えるのに適しているのが、
ちょうど小学生の時期(7~12歳頃)だと言われているので、
今、この遊びたい盛りに勉強をすることは、まさに一挙両得というか、
中学受験にとってだけでなくて、自分の生涯にとっても有益だと言える。
正直なところ、ワーキングメモリーの直接的な鍛え方を僕は知らないのだが、
ずっと教えてきた6年生を見ていると、
こういった能力も、ちゃんと伸びているのを感じることができる。
例えば、板書(サーパスはホワイトボードだけれど)をノートに写す場合に、
入塾当初、ものすごく時間のかかっていた子がいる。
どうしてそんなに時間がかかるのか?と、
その子の鉛筆を動かす手や、目の(というか頭の)動きを見てみたら、
黒板の字を1文字見て(おぼえて)は、1文字ノートに書き写すような、
大げさではなく、本当にそんな写し方の子だった。
だが、こういう子が1単語、1文節を一気におぼえて書き写せるようになり、
そのうち、1文を平気でおぼえて書き写せるようになっていくのである。
あるいは、話(説明)が長くなると、最初の方に話したことを忘れてしまったり、
途中でわけがわからなくなって頭の中がこんがらがってしまったり、
それで、もうどうでもいいやと、聞くのを止めてボーっとしていたり…という子が、
最初に話したことも忘れずに、最後まで話を聞けるようになっていく。
話を最後まで聞いた上で、自分の考えをまとめて意見を言えるようになったりもする。
こういった成長で、点数や偏差値が具体的に何点上がるのかなんて、
目に見える形ではなかなか測れないけれど、
この成長があってこそ、点数や偏差値が伸びたというのは間違いないと思う。
いやむしろ、こういった成長こそが、
今の時期に勉強しておくことの、最大の意義なのではなかろうか。
塾に通わせれば、お金が発生してしまうだろうから、
塾に通わせて勉強させた方がいい!とは言わない。(言えない)
だが、「子どもは遊ばせておけばいいんだ」、
「勉強なんか、その気になったら自分からやるんだから」
というのは、本当にそうだろうか?と思う。
「その気になった」ときに、「自分からやる」ようになるにも、下地が必要に思う。