令和4年度の段階で、小学生の不登校者数が10万人を超えました。
中学校も合わせると約30万人で、この数は前年度から5万人以上増加しています。
こちらは、文科省の発表した数字になりますが、
これはすなわち、各学校が各教育委員会なりに報告をあげて、
文科省が把握した数ということになるのだと思われます。
しかし、不登校という言葉の定義が、
文部科学省の「学校基本調査」によると,長期欠席者(年間30日以上の欠席者)のうち
『何らかの心理的,情緒的,身体的あるいは社会的要因・背景により, 登校しないあるいはしたくともできない状況にある者』ただし,病気や経済的な理由に よる者を除いた者をいう。』
となっていますので、各学校や各先生の解釈や判断次第で、
不登校者と数えられるかそうでないかが分かれるのではないか?と思います。
すなわち、実際にはもっとたくさんの子どもが、それに当てはまるのではないか?
と考えられるわけです。
また、出典をメモしておかなかったので、話半分で聞いてほしいのですが、
東京都における中学3年生の普通高校進学率が年々1%ずつ減っているという
データも目にしました。
これはもちろん、高校に進学せずに就職する人が増えているということではなくて、
普通高校に進学しない率が、年々1%ずつ増えているということであり、
その代わりの進学先は、N高のようなところであると考えられるわけです。
学校行き渋りなら、もっと多くの子にありえると思います。
イジメや、先生と合わない、勉強についていけない…
などのわかりやすい理由があるわけでもなく、
ただなんとなく行きたくない、行く気が起きない、ダルイ…
そして、頭痛い、疲れた、朝起きられない…という話をよく耳にします。
こういうとき、自分にそういう経験の無い人は、悪気もなく
ヤル気がないとか、気合いが足りないとか、甘えているとか
そういうことを思いがち、言いがちです。まさに他人事のように、
自分以外のどこか(誰か)に原因があるのだろうと決めてかかるかもしれません。
そして、原因を突き止めて何かを変えれば、事態が改善すると思っていたりします。
しかし、そんな単純なことではありません。
風邪でもない。検査してもインフルエンザでもコロナでもない。
だけど、なんだか調子悪いなと思ってお医者さんにかかると、
「どこも悪くありませんね。」「ストレスですかね?」
などと言われたことありませんか?
なんでも原因がハッキリわかるわけではないのです。
そもそも、日本の学校は、
みんなが同じ時間に同じ場所に集まって、同じことをするというのが前提ですが、
そこで違和感をおぼえてはいけないのでしょうか。
何か変だな、何か違うな、何か息苦しいな、って感じるのは、
別におかしなことでもなんでもないと思います。
むしろ、生きていく上で正常なことかもしれません。
大人の社会では、フレックスやリモートを認めない会社は古いと言われそうなのに、
学校はそれを強制し、それに合わない子が適応できていないように見られる。
もう、そういうところも含めて、考え方やあり方を見直すべきときなのだと思います。
(ご自身が経験者でなければ)不登校に焦るのはわかります。
なんでこうなったんだろう?どうにかしなければ!このままでは人生が…
そんな気持ちになるのかもしれません。でも、焦らなくていいと思います。
親の物差しで子どもを見るから、焦ったり不安になったりするのです。
親世代、あるいはもっと上の世代の考え方や価値観、あるいは社会状況と、
これからの時代のそれは全然違うものになります。
それでもどうしても不安になる方もいらっしゃるとは思いますが、
まだまだ数は増えると思います。
そのうち、不登校という呼び方もしなくなるときがくるんじゃないですかね。