子ども(のヤル気)だけのせいとも言えない

1つ前のブログで、どこででも頑張れる人、いつでも頑張れる人に対して、
『ここでなら』頑張れる人という表現を使った。

高校生くらいになると、定期テスト前や受験勉強をする際、
集中しやすい環境を探して(選んで)勉強した人もいると思う。
例えば、図書館や自習室、(最近は禁止されていることが多いが)喫茶店…
こういう人は、逆に言えば、家ではあまり集中できないことを自覚している。
リビングであろうと、自分の部屋であろうと、ついついダラっとしてしまうとか、
寝てしまうとか、今やらなくていいことに夢中になるとか。

自分の部屋やリビングでちゃんと集中できる人は素晴らしいと思うけれど、
(誰かに統計を取ってもらいたいが)なんとなく、そういう人は多くない気がする。
もちろん、家では勉強をしたことがない!という人はいないだろうが、
家が一番集中できる環境だ!という人ばかりなら、
世の塾や予備校の自習室がこんなに人で溢れるはずがない。
実際、予備校では、自習室の席を確保するために、朝から並ぶ人もいるほどである。
高校生でさえ、そうなのである。

 

(ウチの子は)家庭学習で全然集中していない!と相談されることは多いが、
家で集中できる小学生が実際どのくらいいるか?を考えたとき、
まぁできないよね、難しいよねって思う。
もちろん、自習室や図書館なら集中できるかと言ったら、そんなこともない。
そもそも小学生でも自分を律して勉強してほしいなんて、
期待し過ぎなんじゃないかと思う。
たまたまゾーンに入ったように集中できることはあっても、
それを自分でコントロールするのは、かなり高度なレベルだと思う。

その、家での(勉強の)様子を見て、
こんな態度なら受験しなくていいのではないか。
ウチの子に(中学)受験は向いてないのではないか?
と思う親御さんは、ついつい叱ったり管理に走ったりしようとするけれど、
管理下、もっと言えば、監視下での勉強に身が入るかといったら、
やっぱり難しいと思う。むしろ、机に向かっているように見せて、
親御さんの足音や物音にアンテナを張っているかもしれない。

 

しかし、では、当の子どもたちも、勉強したくない!と思っているかというと、
実は、やった方がいいこともわかっているし、
勉強をやれる人になりたい!と思っていたりもする。
だから、自分が勉強に向かえる環境を見つけたら、そこを大事にしたくなるのだ。

 

塾から帰ってくるときは、ヤル気に満ち溢れて帰ってくるのに、
家に帰ると、そのヤル気が持続しないで冷めてしまうという話もよく聞く。
もちろん、熱しやすく冷めやすいのも子どもの特徴の1つかもしれないが、
しかし、一方で、冷静にその事実を見つめれば、見えてくるものもあると思う。