その点、サーパスで算数を教えるのは非常に大変である。
サーパスには「演習」という、生徒が問題を解くだけの時間がある。
例えば、5年生であれば、水曜日の授業で教えた単元の問題を、
どのくらい自力で解けるようになっているか?
という実力試しを土曜日にやらせる。
サーパスは、毎週末にテストを実施するような塾ではないが、
どのくらい解けるようになっているかの確認は、塾でするのである。
このとき、子どもは子どもで、先生の目の前で理解度を試されるわけだから、
それ(演習)をプレッシャーに感じていると思う。
一方で、実は教師側にもプレッシャーがかかっている。
生徒が問題を解けない場合に、その解き方を教えていいなら楽なのだが、
生徒が自力で問題を解けるようになっているか、その力をつけさせられているか、
と、自分の授業の質を採点されている気分になる。
すなわち、演習時に生徒が問題を解けないときには、
自分の授業の至らなさを突き付けられている感覚になるのである。
そういうわけで、生徒には、
「解けない問題があっても、テストの点数が悪くても、それはいい。
そんなことで僕らは怒ったりしない。
少なくとも、解けない問題があることの半分は、教えてる僕らにも責任がある。
ただ、せっかく塾に通わせてもらっておいて、自分でやろうとしないのはよくない。
人(先生)が話しているのに、聞かないのはよくない。
ボーっとしたり、そっぽを向いたりしているのは、態度がよくない。
読まないのも、考えないのも、言われたとおりにやらないのも、よくない。
勉強をできるようになりたければ、
ひとまず、話をよく聞いて、教えた通りに真似してごらん!
それでもできなかったら、僕らのせいだから!」
と話している。
サーパスの算数が、他とどう違うのかを聞かれることはよくあるが、
こういうところの違いも感じていただければと思う。