昔の教え子が、東大に合格した。
合格するだろうと思っていたから、驚きはしなかったが、
実際合格したと聞くと、安堵するとともに、嬉しくなる。
たいしたもんだと思う。
ここ10年、20年、「東大出たって…」なんて言葉が随分と出るようになった。
「東大出たって仕事のできない人はいる。」
「東大出身だって聞いたから、どんなかと思ったけど、全然使いものにならない。」
「社会に出たら、どこの大学を出たかなんて関係ない。」
こんな言葉を耳にする。
もちろん学歴が全てじゃない。
20年以上前だって、そうだったと思う。
ただ、東大出身者の何十パーセントもが使いものにならない人のわけがない。
仮にそんなことがあったら、東大が東大である理由がない。
各大学で無作為に100人とか1000人の学生を集めたら、
優秀な学生の率が一番高いのが東大だと思う。
そして実際、それが望ましいことかどうかはさておき、
東大出身者ばかりの職種、職場は存在する。
他の大学を卒業したのでは、なかなかやっていけない仕事というのがある。
まぁ、そこには異論反論あるだろうけれど、
少なくとも、東大のOBが「東大出たって…」と言うのと、
そうじゃない人が「東大出たって…」と言うのとでは意味が違うと思う。
さて、その昔の教え子は、
「東大に受かった時点で、もうすごくはないんです。」とサラっと言った。
これからは、みんな同じ(東大に受かった)スタートだから。
と、そういうことである。
「勉強したい。留学もしたい。」
と、受験勉強を終えたばかりなのに、これまたサラっと言った。
東大合格がゴールではないのがわかる。
受験勉強のことを話していても、
「(高3の)夏までに(勉強して)貯金を作っておいたのがよかった。」
と、自己分析をしていたが、普通、夏から頑張ろうと思う受験生が多い中、
夏までに頑張っておいたという用意周到さというか、
その大人顔負けの計画性には、ただただ脱帽である。
こんな彼なら「東大出たって…」なんて言われてしまう人にはならないだろう。
卒業後に何になるのかはまだわからないが、彼の将来がとても楽しみである。
合格おめでとう!