空想

「じゃぁただ『自由』にさせればいいのか」

そういうわけでもない。

『自由』に慣れていない人を、ある日突然『自由』にするのには危険が伴う。

「『自由』とは何たるか」を知らない人ばかりが集まってきたなら、

おいそれと『自由』にはさせられない。

『自由』を履き違えて道を誤らせるわけにはいかない。

だからきっと仕方がないのだ。

『管理』するしかないのだ。

「いいえ。『自由』は与えています。」

「自分のことは自分で考えて決めるように、そう指導しています。」

「目指すところは自立です。」

別に間違ってはいない。

だけど本当にそうか。大人の都合で言っていないか。

時と場合、臨機応変、状況に応じて…との謳い文句で

都合のいい時だけ『管理』し、都合の悪い時だけ『自由』にさせてはいまいか。

失敗の許されない社会は息苦しい。

全てがうまくいくなんてことは、きっとない。

もっと鷹揚であっていいのではないか。