受験まで残り何日!とカウントダウンが始まる時期になった。
夏休みが終わり、受験の日までに長い休みはもうない。
親だけが焦る。子どもはまだ。まだまだまだまだ…(笑)。
6年生の秋の保護者面談が一段落(いちだんらく)着いたが、
そこでは、(受験まで残り半年もないのに)
「こんなんで大丈夫でしょうか?」「間に合うのでしょうか?」
と、必ず聞かれる。毎年のことである。
皆さん、本当に同じ悩みをお持ちである。
順調に伸びている子や、他人から見たら羨ましい限りの成績の子でさえも、
親御さんの胸中は、さほど変わらない。
だからというのも変かもしれないが、必要以上に焦って慌てる必要はないと思う。
ところで、「こんなんで大丈夫でしょうか?」と聞かれて、
「全く問題ないです!」とまで言い切れることは、さすがに少ない。
これから変えるべきことや、良くしていくべきことは、間違いなくある。
だから、今後取り組ませる具体的な予定を、そこでお伝えする。
すると、それを聞いて納得する方、安心する方もいる一方で、
それを今後ではなくて、なぜすぐ始めないのか?と、疑問を持たれる方がいる。
もちろん、改善できるところは、早く改善した方がいいし、
受験までの時間は限られているのだから、できるだけ効率よく勉強した方がいい。
初動が遅れたせいで希望の学校に届かなければ、後悔のほどは計り知れない。
しかし、うまく伝わって欲しいと思うことが2つある。
1つ目は、早く始めさえすれば、必ず成果が上がるというものではないということ。
物事には適切なタイミングがある。
とはいえ、2つの人生を同時に送れるわけではないから、
早く始めた場合と、私たちが考える適切なタイミングで始めたのと、
どちらがいい結果に結びつくか。これは誰にもわからない。
結果が良ければ、選んだ方が正解となって、
結果が不本意なら、逆を選んでおけば…となる可能性はある。
だから、その補足の意味も含めてもう1つ。
失敗する前に手を打ちたいという親心。
言うなれば、「転ばぬ先の杖」を用意したがる親心は、
長い目で見た時に、逆に子どもを伸びなくさせてしまう。
わざと落とし穴を作って転ばせろ!とまでは言わないが、
転ぶのを見守ることも、立ち上がってくるのを待つことも、
とても大事なことである。
移動手段、宿泊先、観光場所、食事など、全てが決められていて、
言われたままに着いていくだけで楽しめるツアー(旅行)のようには、
人生は送れない。
残り100日で、まだ失敗を待つの!?
と、親は驚き、不安になるだろうけれど、
まだまだたくさん失敗を経験して欲しい。その方が絶対伸びるから!