家庭教師〜自らやれる人にする〜

家庭教師をやっていた時、多い時は週に8人、9人の生徒を

受け持たせていただいた。

当たり前だが1週間は7日だから、

必然的に1日に2人、3人の指導をすることもある。

そういうダブルヘッダーは、普通土日でしょう?と思われるかもしれないが、

土曜や日曜には各塾の志望校対策講座や模試があったりするので、

実は平日に2件やることも少なくない。

指導は子どもが学校から帰ってきてからなので、

せいぜい夕方5時から7時が1件目。

また、次の家が近くにあればいいが、

近くになければ2件目は夜9時から11時なんてこともあった。

自分では割と頑張っていた方だと思うが(笑)、

代表から割とよく言われる苦言があった。

「スナフキン君は、もう少し営業をしてもいいんじゃないか。」

中学受験の指導を頼まれたら、2月の第1週をもって指導は終了。

または英語や数学の先取りを3月くらいまでやって終了

というのが通常のことだと思っていたが、

営業のうまい先生は

「中学になってからも英語だけでも引き続きみましょうか?」と

提案するのだと知らされた。

正直、そんなことは考えたことすらなかった。

前回のブログで書いたが、マンツーマンははまると本当によく伸びる。

しかし自分はその仕事をやっていながら、その仕事の怖さも感じていた。

後で家庭教師の先生に聞けばいいとばかりに、

塾の授業をいい加減にしたり自分で考えなくなったりする傾向が

すぐに表れるからだ。

時代的に家庭教師や個別指導のニーズは確実に上がっていると思う。

しかし最終的には集団生活の中に戻っていかなければいけないし、

理想論かもしれないが、その集団の中で自分の課題を見つけたり

自分で学習していく訓練を積んだりしなければならないと思う。

だから自分が家庭教師をやる上でモットーとしていたことは、

「僕がいなくても勉強できる人に育てる」だった。

最初は何かしらの挫折感や敗北感を抱えていたり、

全くヤル気がなかったりというところから指導を頼まれることが多いから、

家庭教師を必要とするのは仕方ないが、

最終的には「勉強の仕方はわかったよ。もう大丈夫!」と

手元を離れて羽ばたいて欲しいと思う。

指示待ちになるのではなく、「○○をやりたい!」と言えるような人に

なって欲しいと願う。

それは家庭教師に限らず、塾の生徒であってもそう。勉強以外でもそう。

そのたくましさを身につけてもらいたい。