先日6日より、ノーベル賞ウィークが始まりました。毎年この時期になると、わくわくするものです。
先日の生理医学賞に続き、本日は物理学賞の発表が行われました。
そして・・・
赤崎勇氏と天野浩氏、中村修二氏の3名の受賞の吉報が舞い込みました!
期待の高かった青色発光ダイオードでの功績が認められての受賞です!!
物理学賞というと、2008年の南部陽一郎氏、益川敏英氏氏と小林誠氏による素粒子物理学分野での受賞以来、6年ぶりとのことです。
さて、今回の受賞対象となった青色発光ダイオード。
おそらく、全く知らないという方は少ないんじゃないでしょうか。ちなみに自宅にあった照明にも使われていましたので、写真を1枚。明日はこの照明を使って授業をしようかな?
もちろん「青い光を出すエコな照明」ということだけでは、今回の受賞にはならなかったでしょう。
では、何がノーベル賞受賞という偉業まで評価されたのでしょうか。
そもそも青色発光ダイオードが登場する前から、すでに赤色の発光ダイオードは実現されていました。なんだ1色増えただけじゃん、とは思わないでいただきたい。光の3原色という言葉をご存じでしょうか。赤、緑、青の3色のことで、よくRGBと言われ、パソコンソフトなどで色を決める際に目にすることも多いかと思います。実は、この3色さえあれば、調合するバランスによって、あらゆる色を作ることができるのです。
赤と青が発明されても、緑がないと3原色が揃わないんじゃ?と思われる方もいらっしゃることでしょう。緑色発光ダイオードは、青色発光ダイオードの材料と材料が同じ材料だったため、緑色発光ダイオードもその後実現し、RGBの3つが揃っています。つまり、この青色発光ダイオードの発明は、光の3原色を揃えるために不可欠なピースだったのです。
今では1000円程度で購入できるようになった白色LED照明も、青色発光ダイオードの登場により商品化されています。他にも、LED信号機や通信機器のディスプレイ、Blu-rayディスクなんかも青色発光ダイオードのおかげだったりします。このように、実に身近なところにまで、青色発光ダイオードの波及効果は及んでいます。この波及効果の広さこそが、受賞の一番の要因だったのではないでしょうか。
青色発光ダイオードが発明された1993年から、実に21年。発見や発明という事実ではなく、私達の生活に役立って初めて、本当の価値が生まれるんだなぁ、ということをノーベル賞受賞のニュースを聞くたびに感じます。きっと今も、未来のノーベル賞受賞となるような素晴らしい研究を進めている科学者たちが汗を流していることでしょう。その努力、信念たるや、想像に及びません。
なお、8日は化学賞、9日は文学賞、10日は平和賞、13日には経済学賞の受賞者の発表が控えています。
さらなる日本人の受賞に期待しましょう!