今年も残りあとわずかとなりました。
世間も2014年を総括するような話題が多く溢れ、大きな区切りを迎えようとしています。本屋でも2014年のベストセラーとして多くの本が紹介されています。そんな中から「嫌われる勇気」という本を読む機会があり、今までに無い考え方にも触れることができたので、簡単ではありますが、ご紹介したいと思います。
[sanko href=”https://www.amazon.co.jp/嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え-岸見-一郎/dp/4478025819/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1528721659&sr=8-1&keywords=嫌われる勇気” title=”嫌われる勇気” site=”岸見 一郎”]
この本はアドラーという心理学者の考え方を理解するためのものです。
このアドラーという人は、ユングやフロイトとともに世界3大心理学者として名を馳せているそうですが、日本では他の2名ほど認知されているわけではないようで、私もこの本で初めて名前を知りました。
原因があって、結果がある。
この当たり前の因果関係をここまで明確に否定した考え方に触れることになるとは思いませんでした。
○○がある(ない)から、△△ができる(できない)。
何気なく口にしてきたこの言い回し。
「不安だから、行動できない。」という原因論もアドラー的に言い換えるならば「行動したくないから、不安という感情を作っている」となります。感情ですら、目的のための道具とするこの考え方はとても厳しいもので、そう簡単に受け入れられるものではないかもしれません。
もしも、という可能性に生きることに対しても、はっきりと否定しています。
例えば、「勉強すれば、できるんだけどなぁ。」と言う台詞。よく聞きます。
アドラー的に解釈すると、この場合の行動は「勉強しない」になります。
では、「勉強しないこと」の目的とはなんでしょうか。
それはきっと、「可能性を残すこと」になると思います。
もしも、勉強してもできなかったら・・・そう考えると、自分を変える勇気を持てないということです。自分を変えるということが必要だと頭でわかっても、実際に自分を変えるためには相当な覚悟が必要ですから。それは大人であっても、子供であっても変わりません。
本書では、その勇気を持つために必要な考え方が、対話形式で書かれています。対話形式ということもあって、心理学を学ぶという感覚を感じないで読了できると思います。ただ、ここで書かれていることはとてもリアリスト的な発想で刺激が強く、本書でも劇薬だと書かれているくらいです。
読みやすい。けれど、重量感はズッシリと感じる。
そんな1冊かと思います。