それで、その気づいたことというのは、
サーパスには、「勉強をしようという雰囲気がある」ということである。
クラス替えであるとか、座席を成績順にするとかで煽ることなく、
点数の良くない子や、宿題の未提出者を怒ることもなく、
楽しく学べる授業を展開しようとしているので、
教室の空気や塾のシステム自体を、かなり緩いものに感じる人も
問い合わせや面談、あるいは体験授業の時点ではいらっしゃるようである。
だがもし緩いだけの塾なら、(手前味噌だが)こんなに合格できることはない。
もちろん、個人個人に目を向ければ、勉強したい!というほど積極的ではない。
だから、家ではそんなに勉強に向かえない子が(きっとたくさん)いる。
だが、その「やりたくない」「やる気にならない」という気持ちを
教室に持ち込む子が多数派を占めて、雰囲気を悪くするようなことが起きない。
これって、実はすごく珍しくて素晴らしいことなんじゃないかと思ったのである。
サーパスが初めての塾通いになる子、あるいは他塾経験ありの子だったとしても、
イヤイヤ塾に来る子はいる。別に珍しくもない。
授業を妨害してやろう!という子は、サーパスには滅多に来ないが、
一人でやりたくないオーラを発し、不貞腐れているような態度を取る子はサーパスにも来る。
だが、そんなタイプでも、みんなが勉強しているから、
(ここでなら)自分も頑張れるようになるというのは、どうやらあるように思う。
そしてそれは、まだ幼い小学生にとっては、かなり助けになる気がする。
もちろん、それでもどうしてもやりたくなくて、途中で辞めてしまう子はいるが、
ここに関しては、サーパスは受験塾なので、仕方ないことと割り切って考えている。
ヤル気の無い子でも受け入れて何とかしてほしい!と思うのはわかる。
こちらも、何とかしてあげようと思っている。
だが、それでヤル気のある子や、やろうとする子が犠牲になり続けるのは違う。
ヤル気のある子もそうでない子も、どちらもちゃんと見てあげたいからこそ、
後者の子だけが、好き勝手振る舞うことが許されるのはおかしいと思う。
すでに傷ついて、受験をやめようと思った子や、勉強もしたくなくなった子、
あるいは、受験自体はしたいけれど、閉塞感というか、
先の見えない感じを持ったまま惰性で塾通いをしていた子などが、
目に光を宿して再始動するような、そういう様子が見られるのは、
僕らの力というより、環境の力が大きい。
つまり、今のサーパスの環境は、皆の協力があってのものなのだ。
サーパスでは自分を出せる子が多いと言われるけれど、
それは、それぞれが好きなように振る舞っていいということではない。
このことを、無意識にでも大切だと感じて、自然と身につけていくような、
そういうところがサーパスにはあるように思う。