さて、サーパスのカリキュラムの進み具合は、他塾と比べてゆっくりである。
例えば、予習シリーズが1週間で教える授業を、
(大切な単元なら)2週に分けて教えたり、時期をあけて教えたりする。
カリキュラムがゆっくりな分、大手の模試を受けに行こうにも、
4、5年生時には教わっていないことがたくさんあるという難点はあるが、
6年生の夏にはちゃんと追いついているので、大した問題はないと考えている。
また、偶然にも、過去にこんな珍しいケースがあったので紹介しておくと、
サーパスを一度辞めて他塾に移り、また戻ってきた子がいる。
サーパスのカリキュラムの遅さに、親が不安をおぼえて大手に移ったが、
速いだけで内容を定着させられていないことに気づいて、また戻ってきたのである。
その戻ってこられたときに、サーパスのカリキュラムは遅いが、
授業をきちんと聞いていれば、その定着度は高く、
もちろん全く忘れないというわけではないが、復習したときに思い出す割合が高い
と、そういう分析をしていただいた。
これは、サーパスの中にいる我々ではわからないことであるが、
このことからも、「進度が速くない=デメリット」ではないことが伝わると思う。
最後に『算数』の話を少々詳しくしておきたい。
サーパスの『算数』は、何かしらの教材に準拠しているわけではない。
強いて言うなら、はるか昔(30年以上前)の予習シリーズには少し近いが、
(年齢層が若干高い先生しか知らない話になってしまうが、塾界隈では、
今のものよりも当時の予習シリーズの方が、評価が高い。)
小学生の理解力や精神面の成長度合いに合わせて、その構成を考えたものである。
また、理解されなくて普通なので、わざわざアピールすることは少ないのだが、
問題の配列や、そこに用いる数字1つにこだわっていたりする。
同じ解き方、同じ頭の使い方しかしない(数字を替えただけの)問題を、
3問と並べることもしていない。
(だから、パターンで算数をおぼえようとする子には、
いちいち頭をつかわないといけなくて、しんどいと思う。)
余談であるが、たまに、この『こだわり』に気づいてくださる方がいらっしゃる。
かつて、生徒の御親戚(だったかと思う)に、理系の国立大の先生がいて、
その方から「よく考えて作られているなぁ」
「これをできるようにしたら、そりゃ力は着くよ。」
という評価をいただいた(正確には、生徒が言われた)ことがある。
たまに、こういう評価をいただけるので、サーパスのこだわりは、
お客の入っていない頑固おやじのラーメン屋のそれとは違うのだ!
と、安心する次第である。