テストの時、選択肢の問題があったら、白紙にしないで答えを埋めなさい。
4択問題だったら、勘でも25%の確率で正解になるから!
と、こういうアドバイスをしたことがあるかもしれない。
もちろん、白紙ならその問題は0点確定なので、
入試本番であれば、最後の手段として、勘ででも答えを書いておいた方がいい。
だが、模試のような場面で、勘で答えを書く癖がついてしまった子は、
最後の最後にどうしてもわからなかったから仕方なく…ではなく、
難しそうに見えた問題については、最初からほとんど考えずに、
それこそ脊髄反射のように、適当な答えを出すようになる。
そして、こういう癖がついてしまった子は、本当に悲惨なほど、それが直らない。
正確には、本人が直そうと意識しても直せないのだ。
ちゃんと根拠があって考えて解いたのか、適当に答えてしまったのか、
自分でもわからなくなってしまうのだ。
そもそも、勉強の苦手な子全般、答えが出ない宙ぶらりんな状態を嫌う。
答えの出ていない状態を、ものすごく不安に感じる。
そこにプラスして、勘でもいいから答えを埋めてきなさい!などと言われると、
なんとなく見た目で90°!と、根拠のない答えを平気で書くようになる。
適当な答えなのに、解答欄を埋めさえすれば、その不安は和らぎ、
テスト後には、謎の達成感でいっぱいだったりする。
(そのくせ、×ばかりの答案用紙が返ってくると落胆したりする。)
だが、考えてみて欲しい。
その90°が正解だったとして、見た目で答えた正解にどんな価値があるのか。
他にも、「これ、二等辺三角形?長さ同じっぽくない?」
「45°くらいかなぁと思って…。ほら、90°の半分くらいじゃない?」
「アが3個も連続するのはおかしいかなと思って、3番目はイにした!」
「記述以外はとりあえず全部埋めたよ!」
「最後の問題、時間が足りなくて、読まずに解いた!」
冷静なときに読んでいると、頭がクラクラしてきそうでしょう?
答えがあっさり出る問題も確かにあるけれど、ある一定レベルまでくると、
結構大変な作業をしないと答えに行きつかない問題ばかりになってくる。
丁寧に図や式を書かないと、取っ掛かりさえ見えない問題が増えてくる。
その不安定な状態で、辛抱強く、手を動かせるかどうか、
選択肢でも、それらしい答えに安易に飛びつかないで、一つひとつ精査できるか。
「アだと思ったけど違うのか。じゃぁイ!」こんな勉強では力が着くわけない。
解答欄を勘で埋めて、その結果で一喜一憂するだけなら、時間の無駄だと思う。
どうしても模試を受けるなら、一問一問、丁寧に取り組んで欲しい。
計算ミスや読み落としのないように、意識を持って欲しい。
各自が、自分の課題、目的を持った上で、それを実践する場にして欲しい。