中学校の偏差値って、どうやって出しているか、知っていますか?
いえ、知らなくても、全く問題ないです。
ただ、出し方を知らないのに、その偏差値にとらわれているとしたら、
なんとなく損をしているんじゃないかと思います。
各学校の試験日と偏差値が載っているカレンダー(偏差値表)を眺めると、
同じ学校でも、試験日によって偏差値が上がったり下がったりしています。
ちょっと乱暴に言えば、入試の前半よりは後半の方が、
午前受験よりは午後受験の方が、偏差値が高いことが多いですね。
しかし、例えば、2月1日の午前と3日の午後に受験できる学校があったとして、
そして、後者の偏差値の方が高かったとして、
では、その2日間で学校の教育力など、何かのレベルが上がったか?となると、
何も変わっていないわけです。
ただ単に、募集定員が減って倍率が上がったとか、受験する層が違うとか、
そういう理由で、合格する難しさに違いが出ただけです。
別の角度からもお話しします。
神奈川南部にある学校で、教育力が高くて、個人的に応援したい学校があります。
しかし、立地や、学校説明会がお世辞にも上手でないという問題がありまして、
残念ながら、人気が上がっていきません。人気が低いと、倍率も低いので、
入試時点での学力が、そこまで高くなくても合格できてしまいます。
もっと言えば、ヤル気のある子が集まるとは限りません。
そのスタートラインから始めている割には、よく伸ばしていると感じています。
もっと評価されてもいいのに…と思っています。
一方で、空想上の話であるとしておいて欲しいのですが、
都内にあって、立地がよく、学校説明会がすこぶる上手な学校があったとします。
すると、人気が出ます。人気が上がると、倍率が上がります。
倍率が高ければ、入試時点で成績優秀な子が合格していくと思います。
そして、その子たちが、立地をいかして、中1から都内の有名塾に通い、
大学合格実績を稼ぎます。また、学校の評価が上がります。
だいぶ乱暴な話だったかもしれませんが、
後者(空想上の学校)の大学合格実績は、その学校の教育力のおかげではなく、
都内の有名塾の力によるものです。
この学校が優れていたのは、立地と学校説明会です。
もし、この学校に通っても、中1から塾に通わなかったとすれば、
この学校の教育力だけで大学に合格するのは難しいかもしれません。
学校の偏差値が、学校の価値とイコールであるとは言い切れないというお話です。
立地や学校説明会の質も含めて、企業努力だと言われれば、
それはそれで否定できないわけですが、
しかし、学校は(赤字経営はマズイとしても)営利目的の企業ではありません。
人気を上げて、受験生を集められれば、経営側としては成功かもしれませんが、
それにおどらされて、本質を見落としてしまうのは…違うように思います。