他の学校のことは知らないが、
僕の通っていた高校の体育は、とにかく球技ばかりだった。
バスケットボール、バレーボール、
(アメリカンフットボールに似た)タッチフット、ソフトボール…
高校生の頃、一番真面目に参加していた授業は体育だったかもしれない。
だが、小学生の頃の僕は、体育の授業を決して好きではなかった。
それは、僕の好きじゃない鉄棒や縄跳び、
そして苦手なマット運動の割合が高かったからである。
ドッジボールやサッカー、キックベース、あるいは水泳なら喜んで参加したが、
凍えるような寒さの日に限ってやる鉄棒!
あれなんて、何のためにやるのか一切理解できなかった。
もし、中学入試や大学入試の試験科目が鉄棒やマット運動だったら……。
僕はきっとどこにも受からなかったと思う。
まぁもし、本当にそれらが試験科目なら、
さすがにもう少し真面目に取り組んだかもしれない。
だけど、根本的に好きじゃなかったし、
それをやらなきゃいけない意味も(当時は)わからなかった。
真面目にやったところで、どれほどうまくなるかといったら、それもどうだか…。
せめて、うまくなりたいと思えただろうか。
うまくなった先に、何か自分の目指すものでもあれば、
多少は違ったかもしれないけれど、
オリンピックを目指すわけでもないし、体操選手になりたいわけでもない。
だから、それを頑張るモチベーションを持てた自信がない。
「しょうがないじゃない!」「それがテストに出るんだから!」
「できないと困るのはあなたよ!」「こんなこともできなくてどうする!」
「この子は、いつになったら本気になるのかしら?」
などと言われたとして、子どもの頃の僕は果たして頑張れたかな?
もちろん、こんなのは、ただの空想(妄想)だけれど、
好きじゃない科目や単元をちゃんとやろうとする子は、それだけで、
頑張っててエライなぁって思う。