「〇〇(大手塾)に対抗心とか、あったりするんですか?」
なんて聞かれたことがある。
地域で一番良い塾にしようという思いはあるが、
それは、他と比べてどうこうというものではない。
以前もブログで書いたが、塾の種類や、勉強のやり方は様々あった方がいい。
人によって合うものは違うのだから、選べることが大事だ、と思っている。
どこの塾も、せこいことや汚いことをやるのではなく、
正々堂々と、自塾のやり方に誇りを持って子どもと向き合えば、それでいいと思う。
少なくとも僕は、合格者の数が(他の塾より)何人多いかで競うような、
そういうことで勝った負けたを論じるのは、好きじゃない。
合格者の数で大手に対抗できるわけがないという負け惜しみではない。
子どもの合格を、自社商品が何個売れたとか、市場の何%を占めているかとか、
そういうものと同じように扱うのが好きじゃないのだ。
そもそも、一番『良い』塾の定義が、塾によって、人によって違うと思う。
先日の「アナザースカイ2」に出演していた
EXILE、三代目J SOUL BROTHERSの岩田剛典さんは、
中学受験をして慶応義塾普通部に入ったそうだが、
当時のことを振り返って、
「めちゃめちゃ(塾に)行くのが嫌でしたよ。本当に。
毎日行くのが嫌で嫌で。当時は窮屈でしたね。
やっぱり、あおられていましたからね。『絶対に慶応に合格しろ』と…」
と言っていた。
受験には、競争、もっと言えば戦争のようなところがあるとは思う。
ライバルが6時間しか勉強していないなら、自分は8時間勉強するとか、
6時間と見せかけておいて実は10時間勉強しているとか、
そういう面が全く無いとは言わない。
テストの点数や、模試の偏差値、所属クラスなどで
マウントを取る人がいないとも言えない。
また、志望校に合格するためには、嫌いなもの(教科・単元)も、
我慢してやり続けないといけない。
だけど、常に他人と比べられながら、あおられて、急かされて、
「そんなんじゃ受からないよ」と脅されて…
それでも辛抱強く、好きじゃない科目もひたすら耐えて続けることだけが
受験勉強だとは、僕は思いたくない。
受験塾である限り、その結果はもちろん大事だけれど、それ以上に、
例えば、算数が苦手な子であっても、
「考えてる時間が楽しい」と思えるようになって欲しいし、
国語が苦手な子にも、「本を読むのが嫌いじゃなくなった」
と思ってもらえたらいいな!などと考えている。
だから結局、対抗心などない。
まぁ、と言いつつ、「ウチに大手と同じだけの資本力があったら…」
と思ったことがないわけではないけれど…。