その昔、旅行会社に勤めている友人から、
ツアーの添乗員をすると必ず遭遇するコマッタさんの話を聞いた。
高速道路のSAや、土産屋などで、自由行動にした場合に、
集合時間になっても戻ってこない人。
同様に、夕食や朝食、お風呂の時間を守らない人。
観光場所に着いて、その観光名所の説明をしている最中に、
説明を聞かずに、フラフラッと別の場所に行ってしまう人…などなど。
ちょっと時間に遅れるくらいいいだろう。ごめんごめん!
大体、旅行代金を支払っているのだから、好きなように過ごしたっていいだろう。
説明なんか聞かなくたって、その程度のことは知ってる。あるいは、
自分の興味は他のところにある。聞きたい人が聞いていればいいじゃないか!
と、コマッタさんは、そんな風に考えているのだろうか。
当人はそれでいいかもしれないけれど、
その人に事故や怪我、行方不明など、何かあった時に責任を取るのは、
添乗員さんだったり、旅行会社の偉い人だったりする。
そのコマッタさんも代金を払っていると主張するかもしれないが、
ちゃんとルールに乗っ取って行動している人たちも代金を払っているのだから、
その人たちだって、変なストレスを感じずに、旅行を楽しみたいに決まっている。
コマッタさんに何が起きても気にしなくていいならいいが、
そうでなければ、添乗員さんは、名所の説明中も説明に集中できない。
絶えず、コマッタさんが今どこにいるか、何をしているかに気を払わなければならない。
コマッタさん当人は、聞かない自由を行使しているだけかもしれないが、
それ以外の人には、その人の存在がもはやノイズである。
また、見どころ盛り沢山のツアーなら、
参加された方々に全部を楽しんでもらいたいと、
時間配分を散々シミュレーションしたに違いない。
それらの準備も台無しにする行為なのである。
コマッタさん本人は、自分がコマッタさんである自覚はないだろうし、
自分の中では何も間違った行動は取っていないとさえ思っているかもしれない。
(まぁ実際は、こういうコマッタさんは、ある程度
自分が迷惑をかけていることを自覚した上で、
このくらいは許してもらえるだろうと考えている場合が多いような気がするが。)
しかし、それではあまりに周りが見えていない。
他の人のことなど、一切、慮る気が無い。
昨日の大学共通テストのニュースを見ての独り言である。