中学受験に関して、
「本人にヤル気が無いのだったら、しなくていいだろう!」
と言う方は少なくないです。
もちろん、そういう考え方もあると思います。
しかし、その発言に続けて、
「中学生にもなれば、精神的に成長して、ちょっとは自分からヤル気になる…」
という言葉が続くと、「え?本当にそう思います?」と言いたくなります。
おそらく、中学受験や小学生からの塾通いについて考えた方なら、
きっと、子どもの教育には大きな価値を感じていらっしゃるのだと思います。
あるいは、ご自身の人生において、
どこかのタイミングで勉強を頑張った方なのだと思います。
例えば、中学は地元の公立に迷いなく進み、その後、
自分の行きたい高校を自分で見つけて、そこに向かって一生懸命努力したとか、
行きたい大学があったから、寝る間も惜しんで勉強したとか、
そういう経験をお持ちなのではないかと思います。
しかし、その時のことを振り返ってみてください。
その時、友人やクラスメイト達、みんながみんな、頑張っていましたか?
遊びに夢中になっていた人、恋に夢中になってしまった人、
部活やなんやら理由をつけて勉強は二の次という選択をした人、
本当は能力を持っているのに、頑張る動機が持てなくて、なんとなく過ごしていた人…
周りにいませんでしたか?
中学生になったら成長する精神面も確かにあるとは思います。
ただ、それが勉強に関するところかどうか、向上心に繋がるかどうかは、
わかりません。違う精神性ばかりが成長するかもしれません。
中2、中3くらいで、「自分とはなにものなのか?」について考え、悩み、
何もする気が起きなくなる人もいるかもしれません。
勉強をする意味、将来の自分、人間関係…悩みは尽きません。
中学生時に、目標を持って勉強に集中することは、簡単なことではありません。
特に今は、勉強に集中できない要素が、
親世代が子どもだった頃とは、比較にならないほど増えています。
原因の最大はスマホです。LINEです。インスタです。Youtubeです。
数年後には、もっと誘惑の種類が豊富かもしれませんね。
ヤル気は中学生になれば…と、安易に言えないと思います。
また、小学生のあゆみ(通知表)がいいタイプは、
中学生になっても内申が取れる!と、そんなことを言う方がいますが、
そこに相関関係って本当にありますか?
小学生の頃はAばかりだったのに、中学生になったら目も当てられない成績の子、
山ほど見てきましたけど…。
今できないことは、未来になってもできないなどと、
ネガティブなことを言うつもりはありません。
しかし、今の積み重ねの先に未来があることは間違いないと思います。
最後に一言だけ毒を吐きます。
「僕は(私は)自分からヤル気になった」と豪語する方にも、
(本人の気づいていないところで)本当は周りのサポートがあったと思います。
ヤル気を自分で持てたように思わせてくれたのだと思います。