「ウチの子、文章題ができないんです。」
「どうしたら、文章題が解けるようになりますか?」
「文章題を解けるようにするには、家では何をやらせたらいいですか?」
算数の先生であれば、このような質問を受けたことは何度もあると思う。
サーパスでいうと、この質問を受けるのは、3、4年生の塾に来たての頃か、
他塾から転塾してきたタイミングのどちらかである。
計算力はあっても、文章題になった途端に
何をしていいかわからなくなってフリーズする子は、数多くいる。
ここで、多くの場合、
この子は「問題文を読めない」、すなわち、『国語力に問題がある』
と、そういう評価をくだしてしまうかもしれないが、
実は、そうとも限らない。
というのも、国語が苦手なのに算数の文章題をスラスラ解く子は存在するし、
国語が得意なのに、文章題がからっきしな子もいるからである。
実際、昔の教え子で、「〇〇と●●を合わせると…」という問題文から、
〇〇+●●をすればいいのだとわからずに、
引き算をしたり、掛け算をしたり、数の順序を入れ替えてみたり…
と、なかなか要領を得ない子がいたが、この子も国語はできた。
(一応、この子の名誉のために言っておくと、
大学受験でマーチの1つに現役で合格して、充実した毎日を送っているようだ。)
国語力が関係ないとまでは言わないけれど、
なんでも国語力のせいにすればいいってものでもない。
「合わせる」という言葉は知っている。その意味も使い方も知っているのに、
算数になると、その言葉から『足し算』をイメージできない。
国語と算数がそれぞれ独立して存在していて、
結びつかないということなのかもしれない。(点と点が線にならない。)
実体験の不足によって、イメージ力が乏しいのかもしれない。
考える習慣がないだけかもしれない。
粘り強く、我慢強く、腰を据えて、何かに取り組むのが苦手なのかもしれない。
あるいは、もっと小さい頃に、文章題に取り組んだ(取り組まされた)時、
頭ごなしに怒られ続けたことで、思考停止に陥っているのかもしれない。
これら以外にも理由はあるだろうし、全部当てはまることもあるかもしれない。
しかし、お気づきだろうか。
先ほどさりげなく書いたのだが、サーパスでは、
「どうしたら、文章題が解けるようになりますか?」という質問は、
通い始めの頃にしか出てこない。
もちろん、人それぞれ、得意じゃない単元はあるだろうが、
文章題全般苦手という子は、通っているうちにいなくなる。
だから、「何をやらせたら…?」などと思わなくて大丈夫。
焦らせたり、効果(見返り)を求めて慌てて手を打ったりするよりは、
楽しく通ってくれる方がずっといい。