3年生の授業は、全て終了しました。新4年生の授業は、2月9日(火)からになります。

大人の社会を子どもにあてはめなくていい

若い頃、3年ほど、塾から離れて、違う仕事をしていたことがある。
業務内容は営業。
その仕事を選んだのは、なにかを成し遂げたわけでもないのに、
自分なんかが若くして「先生」と呼ばれることへの違和感と、
将来への漠然とした不安があったから。
若いうちはいい。若さはそれだけで武器になる。
だが、そのうち感覚が麻痺して、裸の王様になってしまう気がした。

営業は、向いてる向いてないで言ったら、向いてはいなかった。
自分が何か失敗をしたわけでなくても、会社の1つの窓口として、
たくさん頭を下げたし、理不尽なクレームもたくさん受けたが、
そんなことが嫌だったわけではない。
むしろ、そういう経験をしたくて、この仕事を選んだ。
ただ、自社商品の行き届いていない点を知りながら、
自社の定めたノルマのために、それを勧めているというのが、
どうしても辛くなってしまって、3年でかなり擦り減った。

営業を10年20年と続けている方からは、甘い!と言われたり、
そもそも考え方が間違っていると言われたりするかもしれない。
たった3年で何がわかる!と言われても仕方ない。
だが、たった3年ではあるけれど、経験しないよりは、やって良かったと思う。

先生という仕事は、(僕にとっては)自分の得意分野でやれる仕事であるから、
ついつい無意識で、
「このくらいのことは誰でもできる」「こんなこともできないのか」
という発想になりがちだが、自分の苦手分野で仕事をすると、
他の人が普通にできていることでも、自分はできなかったりして、
できない自分について悩む時間が増える。
自分の苦手なこと、いたらなさ、弱さ、醜さ…
つまりはコンプレックスを目の前に突き付けられる。
それらと向き合い、多少はうまく付き合えるようになったのが、
営業を3年でもやって良かったという理由である。

 

さて、最後にちょっとだけ本題(笑)。
営業は、その仕事柄、いくら売り上げたかという数字を
毎日、毎週、毎月、必ず突き付けられることになる。
自分以外の人にも知られるところとなる。
成績順に並べられるような局面も経験した。そのとき、
「こんな成績で悔しいと思わないの!?」なんて言われたら、
これ、大人でも結構なプレッシャーで、ストレスになりうるでしょう?
仕事だからと割り切れる人もいるけれど、それは大人だから。
自分や家族の生活のためだから。見返りにお給料があるから。

営業職は、退職者の多い職種だと思う。
入社して半年どころか、1カ月も持たずに辞めていく人を何人も見てきた。
だが、何人辞めようが、変わらずプレッシャーをかけられ煽られ続ける。
そこでめげずに続けられる人、結果を出し続けられる人だけが優秀で、
そうではない人は使い捨ての駒のように思われていたのかもしれない。

社会に出たら、そういう場面がある(かもしれない)と言っても、
だからと言って、子どもにそれをそのまま当てはめるのは違うと思う。