5回書いておぼえられないなら、10回書きなさい。
10回書いてもおぼえられないなら、20回書きなさい…という指導の仕方と、
回数を書こうとすると惰性になるから、1回で覚えようとしなさい。
極論すれば、1度も書かずに記憶に焼き付けなさい…という指導の仕方と、
どちらもあながち間違ってはいないと思う。
たいして努力をしていない人に限って、
自分の努力不足を、あぁだこぅだと御託を並べて正当化したり、
やらなきゃいけない課題に対して、どんな意味があるのかを聞いたりする。
あるいは、ちょっとの努力を「あんなにやったのに!」と過大評価したりする。
そういう人には、「つべこべ言わずに量をやりなさい!」でいいと思う。
やるべきことをやらずしてでは、成功体験はもちろん、失敗体験も増えない。
失敗したくない!(成功だけしたい!)と思って何もやらない人は、
残念ながらいつまでたっても成功しない。
一方、誰の目から見ても頑張っているのに効果が出ていないタイプには、
その量を続けさせても効果は薄いと思われる。
量が質に変わるには、内容が伴っていないといけない。
だから、効果が出そうもない頑張りを続けている人には、
量を増やすのではなく、質を上げるためのアドバイスをしないといけない。
今日はその質の上げ方について一つ。
スポーツでも、正しいフォームで素振りを100回、1000回と続けていくことで、
正しいスイングが身に着くということはあるだろう。
続けることで、いちいち意識しなくても振れるようになるはずだ。
しかし、例えばプロ野球を見ていると、
バッターは自分のスイングを、ことあるごとに確認しているように見える。
一流のプロでさえ常に意識して確認しているのだ。
何が言いたいかと言うと、もうできるようになったと思っても、
それを無意識下でおこなうのではなく、意識するべきなのだということである。
授業でも過去のブログでも、教えたことをまずは忠実に真似して欲しい
と、割と口酸っぱく言っているが、真似のできない子が必ずいる。
素直じゃない子や、めんどくさがりな子もたくさんいるが、
それ以外に、もうできると過信する子、気を配らない子というのも存在する。
解き終わってから、いや、できれば解いている最中に、
解き方はこれで大丈夫かなと意識する。そして確認する。
それだけでも随分と質が変わってくると思う。