『何のために「学ぶ」のか』 (ちくまプリマー新書)

東大で最も読まれた本と紹介されている『思考の整理学』で有名な外山滋比古さんや、

脳科学者の茂木健一郎さんなど、7人の方がそれぞれの切り口で

『何のために「学ぶ」のか』を書かれていて、非常に面白い本である。

どの文章も子どもでも読めるように書かれているが、

小学生でも一番見たことのありそうな茂木さんの文章を抜粋してご紹介したい。

生まれつき英語が苦手、数学が苦手という人はいない。

生まれつき頭のいい人も、頭の悪い人もいない。

「頭がいい」とは「努力の仕方を知っている」ことである。

「ドーパミン」という物質が脳の中にある。

これは、何か嬉しいことがあったときに出る物質だ。

ドーパミンの分泌量が多ければ多いほど、

人間は大きな快感と喜びを感じることがわかっている。

脳をうまく使うには、ドーパミンをよく出してあげることが必要だ。

それでこのドーパミンは、少し自分には無理かな、

と思うくらいのレベルのことに挑戦して、それをクリアできたときに、いちばんよく出る。

人間の脳はドーパミンが分泌されたとき、どんな行動をとったかきちんと覚えていて、

ことあるごとにその快感を再現しようとする。

そして、もっと効率的にドーパミンを分泌させて快感を得ようとするため、

脳の中では「ニューロン」と呼ばれる神経細胞がつなぎかわり、

「シナプス」という神経回路のネットワークが新しくできあがる。

だから、快感を生み出す行動は「クセ」になって、自発的に繰り返すようになる。

そのとき、少し無理めの課題を自分に課して、

失敗を繰り返しながらもそれをクリアしていくことで、

脳の中に強いシナプスのネットワークがかたちづくられ、

やがてその行動が上達していく。

これが「教科学習」というメカニズムだ。

茂木健一郎さんの文章より。

『何のために「学ぶ」のか』の結論については、

是非本を手に取って読んでもらいたい。

今回のブログでお伝えしたかったのは、うまい勉強のやり方のヒントである。