初日に受けた第一志望校に合格して、あっという間に受験を終えた人も、
約1週間、最後まで戦い続けた人も、よく頑張ったと思います。
僕の持論でしかないので反対意見もあるとは思いますが、
僕は「勝てば官軍」とは思っていないです。
第一志望に入れれば勝ちで、それ以外が負けだなんて、
そんな寂しいことあるわけないと思うんです。
○○合格確実!○○への合格の可能性80%以上!なんて言われていても、
努力が報われなかったようにみえる結果になることはあります。
そして中学受験は高校受験や大学受験と比べても、
特にそういう傾向が強いように思います。
しかし、頑張った経験、結果のわからないものに果敢に挑んだ経験、
一生懸命考えたという経験、…こういったものは、一生の財産となります。
自分の実感として、
「このくらい頑張ると、このくらいの結果が出せる」というのを知ることや、
「自分に合った勉強のスタイル」を知ることは、とても貴重な経験だと思います。
勉強を本気で頑張ったのが、たとえ1ヶ月そこらだったとしても、
1ヶ月頑張れたことは素晴らしい。
人生の中で、本当の意味で本気で頑張った経験というのは、
そう何度も得られるものではないように思います。
この先、何か辛いことや乗り越えないといけないことがあったとしても、
一度でも本気で頑張った経験があれば、きっと乗り越えられる。
少なくとも、その可能性は高い。そう思います。
一校でも合格できない学校があった人は、
「悔しい」という経験もできたでしょうし、
苦しんだ子は「不安と戦う」経験も人より多くできたかもしれません。
親心としては、スムーズに決まって欲しいと願うでしょうけれど、
僕らはこの受験期間中に成長した子を今まで何十人、何百人と見ています。
苦しい思いをした子も苦しい思いをした分だけ、成長したのです。
学びには、あとになって「そういうことだったのか」と気づくようなところがあります。
学んでいる時にはその価値がわからないことだらけなのです。
だから「こんなこと勉強して何の役に立つの?」なんてことを言う人が出てきます。
すぐに「スキ」「キライ」で判断する人が出てきます。
因数分解を知らなくても世の中生きていける。
英語なんて話せなくたって…。
古文っていつ使うの?
キリがないですね。
実際、小さい頃に古文を一生涯かけて研究しよう!と決意していた人なんて、
なかなかいないと思います。でも、ある時古文の魅力に気づいて、
どっぷりと古文にはまってしまった人がいるわけです。
何が役に立つかなんて、わからないのです。
脳の仕組みや回路についての専門家ではないので、
詳しいことは僕にはわかりませんが、
使えば使うほど脳が発達するこの時期に、
自分の脳の容量を広く深くしたことが、
とても大事なことだったと思える時がきっと来ます。
算数科として言えば、得手不得手はあったとしても、
小学生の時にしか教わらない算数という教科を
一生懸命にやった経験は、必ず将来活きます。
これは算数で点数を取れたとか、今後数学が得意になるかどうかとか、
その程度の話ではありません。
もう少し大人になったらきっとわかります。
まだまだ延々と、みんなが頑張ったことの価値について話したいところですが(笑)、
この辺で終わりたいと思います。
とにかく、みんな頑張りました!それは本当に素晴らしいことです!
だけど最後に2つ付け加えます。
1つは、これがゴールではないということ。これからが大事です。
第一志望に入れたからといって、それで満足してだらけてしまったら、
第一志望に入ったことが失敗になってしまいます。
第一志望に入れなかったとしても、
それが却ってここからの毎日を充実させるものにできたとしたら、
これは成功だったと言えると思います。
これからが大切だということです。
そしてもう1つは、ここまで来られたのは自分1人の力ではないということ。
みんなにはもう何度も話しているのでわかっていますね。
そのことを忘れずに!
それではまた今日からの中学準備講座で会いましょう!