今週の「プロフェッショナル」(NHK)は、
今年日米通算4000本安打を達成したイチロー選手の特集でした。
以前(8月)も書きましたが、
イチロー選手は毎日同じ決まった準備(ルーティン)をします。
バッティング練習を始める時間も何球打つかも毎日同じで、
まるで精密機械のようであるとコーチは言います。
また、身体が変わってしまわないように、
試合前に食べる食事すら毎日同じだそうです。
そのイチロー選手ですが、今年はスタメンを外れることが多く、
例年であれば年間に700前後の打席数があるのに、
今年は550打席数しかありませんでした。
このことは、単純にヒット(安打)を打てる可能性が減ってしまう
ということを意味しますから、例年であれば200本近く打っていたヒットも
今年は136本まで減ってしまいました。
イチロー選手ほどの実績のある野球選手であれば、
スタメンで試合に出続けることへのプライドもあるでしょう。
スタメンを外れる。
試合に出られるかもわからない。
控え選手(交代要員)のような扱いを受ける。
そんな日々でも変わらず(試合に出るための)ルーティンを続けることは、
口で言うほど簡単なことではありません。
事実、イチロー選手も「やりたくなかった。」と言っています。
しかしそれでもイチロー選手はシーズンを通して、
そのルーティンをやりきりました。なぜでしょう?
「それ(ルーティン)をサボることで、
今まで自分を支えてきたものが壊れてしまう気がする。」
「今まで僕(イチロー選手)のことを
真面目に見て(応援して)くれていた人たちを裏切る気がする。」
と、こんなことを言っていました。
誰が見ているわけでもない。一日くらいサボったって…。
わかりゃしない!ではないのです。
「 (弱い心に負けないように) これは頑張った!努力した!」
と笑いながら語るイチロー選手の表情は素敵でした。
自分はまだできる!という感覚ではなくて、
まだ「苦しみが足りない」という独特の言い回しで、
すでに来シーズンに向けてストイックに準備を始めるイチロー選手。
「No.1にならなくてもいい〜」という歌詞をやり玉に
「僕はNo.1になりたいと思ってやっている。」と、かつて言っていました。
ストイックすぎて、なかなか真似できるものではないですが、
「今まで僕(イチロー選手)のことを
真面目に見て(応援して)くれていた人たちを裏切る気がする。」
この一言はズシリと心に響きました。