授業が始まるまさにそのときを、どんな状態で迎えているか。
ここを確認するだけでも、その子の学力の一端が見える。
例えば、授業開始時に
「テキストの○ページを開いて!」と、必ず指示する先生がいるとする。
ここで初めてカバンの中をゴソゴソやって、テキストを忘れたことに気付く子は、
スタートですでに出遅れている。
徒競走のとき、「ヨーイドン!」の合図を最大限の集中力で待ち構える、
あの感覚を思い出してほしい。あの時に集中していなかったら、勝負にならない。
(学校だったら「隣の子に見せてもらいなさい」で済む話かもしれないが、
隣の子にしてみれば、いい迷惑である。)
授業前日には、塾に持って行くカバンの中身を確認した方がいい。
明日の授業は○○だな、必要な持ち物は・・・宿題は・・・鉛筆は・・・削れてるかな?
こういうことを確認した方がいい。
確認しなければ、テキスト忘れに限らず、
ノートを忘れるとか、宿題を忘れるとか、筆記用具を忘れるとかも十分にありえるが、
いずれにせよ、明日のことを少しも想像しない姿勢のままで、学力が伸びるとは考えにくい。
まぁ百歩譲って、生きていれば忘れ物をすることもあるだろう。
だが、せめて授業が始まる前に、忘れ物に気付けるくらいにはなった方がいい。
忘れ物に限った話でもない。
授業開始のタイミングで、そこから慌ててトイレに行くとか、
先生が来てもなお、友達とお喋りしているとか、
そういう姿勢のままで勉強ができるようになりたい!というのは相当難しい。
低学年ならまだいい。だが、受験学年でそれではまずいと言わざるをえない。
受験生にだって、授業ギリギリまで友達とお喋りしていたい、遊んでいたい、
そういう子がいてもいい。いてもいいのだが、
それで尚且つ、憧れの(難しい)学校に合格したい!というのは、
さすがに虫がよすぎるだろう。
授業が始まるまでの時間も勉強して待っていなさい!とまでは言わない。
心静かに黙想していなさい!などとも言わない。
だが、授業開始と同時に集中できないのなら、損するのは自分である。
もちろん、子どもは遊びたい、できれば勉強したくないと思っていても不思議じゃない。
勉強にそこまで前向きじゃないなら、準備に意識が向かないのも当然である。
(修学旅行やお出かけが楽しみだったら、準備はきちんとするはず!!)
だが一方で、あなたが合格したい!と思っている学校に、現在通っている先輩たちは、
受験前に、遊びたいからって遊んでいただろうか。
(勉強を)面倒くさいなと思ったところまでは同じだったかもしれないけれど、
それでも自分の目標のために、自分を律して頑張ったんじゃなかろうか。
同様に、今、あなたと同じ学校を志望している子も、きっと頑張っていると思う。
入試の合否は入試当日の点数で決まるが、
実は、そこに至るまでの姿勢や、想像力や自制心といった心の成長レベルが
憧れの学校に通うに相応しいかどうかを決めていると言っても過言ではない。
そう考えたら、授業(の始まるまで)の準備の意識を改善するだけでも、
学力を伸ばせる可能性はある。