入試に関する情報については、塾による差はほぼなく、
学校に関する情報については、塾によって差が出るという話をしてきました。
続きまして、2つめの「情報」、1つめよりもむしろ、保護者が気にされる
お子さまの位置情報についてです。
お子さまの位置情報とは、すなわち、模試等での順位や偏差値のことです。
この順位や偏差値という情報は、
母数の大きい大手塾の方が圧倒的に充実しているわけで、
小さな塾での順位などはアテにならない、そう考える方は多いと思います。
実際のところ、毎年、数千人から数万人の生徒を抱える塾であれば、
年によって多少の生徒数の増減はあったとしても、
集まるレベルは例年通りで安定します。
(できる子ばかり1万人くることもなければ、その逆もないということです。)
幅広いレベルの子がそれだけの数集まれば、
そこから出てくるデータには信憑性があると感じられることでしょう。
一方で、小さな塾では、その年その年で、何人の生徒が来てくれるか、
どういう子が来てくれるのかがわかりません。
ですから、小さな塾での(例えば)10位が、どのくらいすごいのかわかりにくい!
と言われれば、確かにその通りです。
しかし、大手が出すそのデータは、本当に受験に必要な情報でしょうか。
例えば、1万人の生徒を抱える塾で、5千位という情報を得られたとして、
その情報はお子さんの受験にとって有益でしょうか。
3千位なら良いというものでもないと思いますが、いかがでしょうか。
例えば、自分の志望校では計算問題が1問しか出題されないのに、
計算問題が5問も10問も出題される模試の順位や偏差値は、
実際の入試にとって、本当に参考になるデータとなるでしょうか。
もちろん、そのようなことはわかった上で、しかし小さい塾では、
何を頼りに現状を把握していいかわからない、
そして現状を把握できなければ、志望校も決められないのではないか、
という疑念が出てくるのだと思います。
それに対しては、定期面談等で、(塾での)取り組みの様子や、
現状どのくらいの力があって、今後どのくらい伸びていきそうか、
より良くするためには、どういった課題があって、どのように取り組めばいいか、
そういうことをお伝えすることで、解決の図れる可能性が十分にあると思います。
一方で、百聞は一見に如かずとも申します。
6年生にもなりますと、サーパスでは志望校の過去問題に取り組ませていきますが、
過去問での得点と、外部模試での偏差値や、そこで導き出された合格の可能性とを
照らし合わせていただければ、私たちの言わんとするところが伝わると思います。
(模試で合格率80%と出ても、過去問で合格点に届かないことは多々あります。)
すなわち、2つ目の「情報」は、無いとなんとなく心許ないものの、
あってもさほど役には立たないものなのです。