時間感覚

秋の6年生の面談が終わりました。
あと10日経つと、入試まで100日になりますから、
6年生の親御さんの中には、すでに焦っている方もいらっしゃったでしょう。
ところが、そんな親の気持ちを全く感じないかのように、
子どもはのんきに過ごしていて、まだ大丈夫と思っているように見えます。

仕方ありません。
大人と子どもでは、時間に対する感じ方が違いますから。

40歳のお母さん(すみません!例です!)と、10歳の男の子を例に
受験まであと1年という長さを考えてみます。
1年という長さは、お母さんにとっては、今までの人生の40分の1ですが、
10歳の子どもにとっては、10分の1です。4倍違います。

年齢が4倍なのですから、当たり前と言えば当たり前なのですが、
時間への感覚は、年齢に反比例するということです。

要するに、あと100日という日数は、
10歳の子どもにとっては、まだ400日、
つまり1年以上あるという感覚に近いということなのです。
言い換えれば、今お母さんが感じている焦りを感じるのは、
100÷4=25で、受験まで残り25日の時なのかもしれません。

もちろん、そんな直前になって焦らなくていいようにと、
早め早めに手を打とうとしてあげるのが親心でしょう。

しかし、良かれと思ってやっていることでも、
怒るという方法では、意味を成しません。

怒られて勉強しても、気持ちが乗らないのは当然です。
いやいややっているので、計算も間違えますし、覚え物も覚えられません。
机に1時間向かったとしても、おそらく効果のほどは0に近いでしょう。
自分から机に向かった、たった10分の勉強の方が、効果が出るかもしれません。

「怒らずに済むように、じゃぁ先生なんとかしてください!」
「私だって怒りたくて怒っているわけではありません!」
という声が、今にも聞こえてきそうですが(苦笑)、
ちょっと落ち着いてください。

怒って学力が伸びるなら、とにかく怒り続けてもらった方がいいですが、
怒っても学力も偏差値も伸びないのですから、他の方法を考えましょう。
そもそもなんで怒ってしまうのだろう?
と考えていただくのもいいかもしれません。

毎年、同じようなことを書いていますが、
お母さんやお父さんから信頼してもらえた時、
子どもは安心して勉強に集中できるものです。

どうか焦らず、怒らず。
そして諦めたような、ため息もつかず!でお願いします。