地域のサッカークラブに週3、週4で通ったからといって、
将来プロサッカー選手になれるとは限らないし、試合に出られる保証すらないのは、
大人なら誰でもわかっている。
サッカーに限らず、野球でもスイミングでも、ピアノでも何でもそうだ。
そんなことは、子どもでもわかっているかもしれない。
スポーツの世界なら、「ウチの子は、こんなに一生懸命練習しているのに、
なんでレギュラーにしてもらえないのですか?」
などと言ったところで、我が子より上手な子が複数いれば、
レギュラーになるのは難しいと、素人でもわかる。
また、プロまでいかなくても、例えば、Jリーグのユース(下部組織)に入るだけでも、
セレクション(選抜テスト)に合格しなければならない。
だが、このレベルになると、もう周りの子よりも結構うまいくらいのレベルでは、
めったなことでは合格できない。良くも悪くも、上には上がいるのだ。
ところが、勉強となると、なぜかそこへの理解が大人からなくなることが多い。
こんなに頑張っている(勉強している)のに、偏差値が上がらないのはおかしい!
何をすれば状況を改善できるんだ?
塾が合わないのか?先生との相性が良くないのか?
頑張りが足りないのか?ヤル気がないのか?
というように、原因を探そうとする。
もちろん、原因がある場合もある。
だが、頭の片隅でいいから、そりゃぁどの世界にも、上には上がいるよね、
しかも一人や二人ではなくて、結構な数いるよね
っていう、ある意味、冷めた目も持っていて欲しい。
地域のサッカークラブに(我が子が)入った時に、
ただガムシャラにボールを追いかけている姿、
少しでも上達したいと練習に励んでいる姿、に目を細めていたと思う。
その時、大抵の人は、プロになるために!とは思わなかったはずだ。
試合に出られないなら、続ける意味がない!とも思わなかったはずだ。
結果を求めて始めたのではなくて、
その時その時の「今」を大切にしていたのではないか。
偏差値を上げることも、第一志望合格も、
自分より出来る子が複数いた時点で難しくなるのは、スポーツと同じである。
一生懸命頑張りさえすれば、それが手に入るというわけではない。
そういう、ちょっと冷めた目を持つことで、
ハッと(我が子の)成長に気付けることがあると思う。
こんなにできることが増えていたんだなぁと感動することがあると思う。