自分より出来る子との出会いが刺激となって、
より一層頑張る意欲が湧いてくるような子なら、
ライバルとの出会いが自分を成長させるから、大手塾で良いと思う。
また、毎週のように、理解度と定着度を試されるテストがあっても、
それによって順位や偏差値が出て、クラス替えがおこなわれるとしても、
それをゲーム感覚で楽しめちゃう子なら、
その良さをしっかり享受できるので、大手塾で良いと思う。
一方で、常に誰かと比較されてしまうことを、
プレッシャーやストレスに感じる子にとっては、
順位や偏差値によって競わせるシステムは、精神を病む可能性がある。
カンニングをして成績をキープしようとしたり、
自分より点数の取れていない子をバカにしたり、
小学校の先生をからかってみたり…。
受験勉強が悪い形で話題になってしまう例である。
大人はつい、誰かと競い合わせた方が、切磋琢磨するのではないか!とか、
上には上がいることを知った方が、井の中の蛙になることなく、
努力し続けるのではないか!と、期待する。
しかし、模試で成績上位者として名前が載るような子を
ライバル視したり、その子に追いつけるように頑張ろう!
と思ったりする子は、親が期待するほど多くない。
優秀な成績の子については、それこそ「天才!」と神格化するだけで、
もはや自分と同じフィールドにいる人ではないと位置づける。
結果、大多数の子は、自分と大体同じくらいの成績の子としか競わない。
(成績優秀者が大きなミスをして、たまたま自分がその子を抜けた時だけ
声高に自慢するのが関の山である。)
これなら大手塾である必要性は感じられない。
昔読んだビジネス書に、こんな文章があった。
有名な『ウサギとカメ』を題材にした文章で、
ウサギとカメの違いはどこにあったのか?の答えとして、
「ウサギはカメを見ていて、カメはゴールを見ていた。」
と、こういう結論に結びつける文章だった。
つまり、他人の成績や他人の順位、他人の志望校を気にするのではなく、
自分の目指すところへ向かって、必要なことをやった者が勝つ。
と、こういうことである。
塾を選ぶ際の参考になるのではないだろうか。