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厳しさと 優しさと 心強さと

2026 3/26
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2026 スナフキン 3月
2026年3月26日

もう2、3年前になるだろうか。
イチローさんが、時代の流れには逆らえないことを認めつつ、
だからこそ大変なんだと警鐘を鳴らした発言が話題になった。
「今の時代、指導する側が厳しくできなくなって。(中略)
(自分が)自分に厳しくして(自律して)自分でうまくなれって・・・」

もちろん、ここで指している厳しさとは、
体罰やハラスメントのような理不尽なことを指すのではない。
しかし、どんなに相手のことを想っての指導であったとしても、
その厳しい指導で傷ついた人からすれば、
その指導とハラスメントは同列のものに感じたことだろう。

つまり、ここの境界線は本当に難しいのだ。
「そのくらいの厳しさは乗り越えられるようになってほしい」
と(指導する側だけでなく)親御さんも思ってくれていたとしても、
我が子の心が折れてしまっていたら、いかんともしがたい。
励まそうがなだめようが、もうやりたくないと言われたら、どうにもできない。

その結果、「辞めます」に繋がってしまうのは、指導していた側も辛い。
辞めさせたかったわけではなくて、伸ばしたかったからこその厳しさだからだ。
また、その子がただ「辞める」だけでなく、
クレームやSNSでの晒し行為にまで及ぶことになる可能性を考慮すれば、
「他人の人生に責任を持とうとして」「厳しくする」のは割に合わないという判断に
(個人としてだけでなく組織として)落ち着くのも必然である。

こういう事情で、「指導する側が厳しくできなくなって」いるのだ。
よそ見をしていて授業を聞いていない子に「ちゃんと聞いて!」と指導しても、
「僕はちゃんと聞いているのに、聞いてないって言われた。」
と家に帰って(ご両親に)言われるのだとしたら、そんな当たり前の指導もできない。

蛇足だが、こういう例を出すと、「指導する側が言い方を工夫したらいい」とか、
「丁寧に言えばいい」などと言う人もいるようだが、
モノを教わる側が、気をつかってもらうのが当たり前になるのも
(将来的にはそれが普通になるのかもしれないが)どうなのだろうと思う。


『厳しい』人は嫌な人で、『優しい』人は良い人という風に子どもは思いがちであるが、
その『厳しさ』には愛情や、一人前にしてあげたいという責任感があるかもしれない。
他方、もしかしたらその『優しさ』は、ただの無責任からくるものかもしれない。
これは、社会に出ている大人ならよくわかるはずであるが、
自分にとってどうでもいい人とは、揉めたくないし関わりたくもないから、
むしろ愛想よく、丁寧に接するものだと思う。
その、どうでもいい人認定された人のように、厳しいことを何も言われなくなったら、
自分で自分を律して頑張り、そして自分で成長しないといけなくなる。
つまり、全て自己責任ということになる。

傷ついている人に、厳しさを耐えて受け入れて、乗り越えろ!というのは酷な話だ。
こうした方がいい!こうすべき!というような安直な結論も出せない。
だからこそ難しい。
自分が100%心地よい環境なんてどこにもないから、ちょっとずつちょっとずつ、
(自分にとっての)居心地の悪さやノイズに慣れていけたらいいのだが・・・
と思いつつ、結局は、自分に厳しい声をかけてくる人のことを信用できるか、
信頼できるか次第なのだろうと思う。
その人の存在を支えとして、『心強く』感じられるかどうかなのだと思う。
(うまくまとめたつもり。)

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