毎週のことではないのだけれど、子どもたちを見ていて
「随分と成長したなぁ~」と(不意に)思うときがある。
これは、テストの点数や順位、偏差値といった数字を見てのことではない。
客観性を持った形でお伝えできない、直感のようなものである。
受験生の親御さんとの面談では、「点数が伸びない!」「全然本気に見えない!」
などと、不安なお気持ち(相談)をうかがうことが多い。
確かに、成績でいったらまだまだなこともあるのだけれど、
それでもやっぱり「成長してる!」と思うときはある。
(また、塾で集中して勉強させる分、家ではリラックスできていてほしい!
と願う我々からすると、家での姿が本気に見えなくても良いのではないかと思う。)
さて、受験塾であれば、合格できたかどうか、しかも志望順位の高いところに、
ということが、最終的な評価に繋がるポイントになるのは当然なのだが、
しかし、結果さえ良ければ途中の過程はどうでもいいということではなくて、
サーパスは、過程を大切にしたことで結果もついてくることを理想としている。
学力が足らなくても合格すれば勝ち!という考え方もあるかもしれないが、
合格するためにも、生きていくためにも、学力はつけてほしい。
また、姿勢や態度が悪くとも学力さえあればいい!などとも思わない。
余計なお世話かもしれないが、学力が高く、成績が良いだけの人にはなってほしくない。
良い姿勢、良い態度で学ぶからこそ得られる、学力を超えた「力」もあると思う。
しかし、家で子どもの帰りを待っているお母さんやお父さんは、
点数でしか子どもの成長を感じられる機会がないかもしれない。
だから、家族を喜ばせ、満足させる点数を取らせることも塾には必要である。
だが、すぐに点数に表れる力は、評価されやすい反面、
(やろうと思えば)小手先のテクニックでも上げられる力である。
そして、小手先で上げられる点数は、あっという間に失うこともある点数である。
逆に、すぐに点数には結びつかないが、一度手に入れたら自分のものになる「力」、
こちらは、時間と手間ひまをかけないとつかない力である。
点数となって見えてくるのに時間がかかるので、
その「力」は、ついているのかどうかの見極めが難しい。
子どものことをよく見ていないとわからない。
冒頭の「成長したなぁ~」は、この見極めの難しい方に対しての感想である。
問題文を読むときの姿勢が前傾姿勢に変わった。
図や式を言われなくても書くようになった。
間違えた問題をその場ですぐに何度も書き始めた。
字を書くのと反対の手で紙を抑えるようになって、字に力がこもった。
丁寧で綺麗な字になった・・・というような、具体的な変化と共に、
体から闘志だかオーラだかを発しているような、集中した状態。
スポーツの世界で、「ゾーンに入った」と言われる状態に似ているのだろうか。
そういうときに遭遇すると、「頼もしくなったなぁ~」としみじみ思うのである。
そして、この集中した状態で充実した勉強をできるようになってくると、
なぜか人に対して優しくなるというか、気を遣えるようになるのも、
サーパス生の(毎年の)特徴である。
もちろん、出会った初日から優しくて気の遣える子もいるが、
そうではなかった子も、そういう振る舞いが自然になってくる。
その行動を見てまた、「成長したなぁ~」と思うのである。