中学受験すると決めている人(ご家庭)は、高校受験の塾については調べないだろうし、
今現在、小学生の子(ご家庭)が、大学受験について調べることもほぼ無いと思う。
僕も、正直な話、中学受験以外については、だいぶ疎くなった。
と、前置きした上で、
ここ数年、高校受験や大学受験の塾ホームページや、そこで働く先生のブログなどで、
成績を伸ばしたければ「授業を聞く姿勢が大事」
「話を聞けるようになること」「指示を守ること」
何をやればいいかの指示だけでなく、やり方やそれに臨むときの(意識の)アドバイスも
「素直に」「謙虚に」「再現すること」
と、サーパスで口酸っぱく伝えていることと同じ文言を目にする機会が増えた。
他にも、
わからないことやできないことを、(見ないようにして)先延ばしにするのではなく、
「わかるまでやる」、「できるようになるまでやる!」とか、
「表面だけなぞるような薄っぺらい勉強をしない」とか、
「理解できていないことを、丸暗記で誤魔化さない」とか、そんなことが語られていて、
どこの塾でも、そして、対象が何年生であっても、
「学ぶということ」のやり方というか、本質は変わらないことを確認させられる。
他方、中高生になっても、これらが大事であることはもちろん間違いないのだが、
こんな当たり前のことを、中学生や高校生相手にでも言わないといけないのが、
紛れもない事実、現状である。
中高生でさえ、こういったことを言われて、注意されて、叱られて・・・、
それでもなかなかその通りにできない子が山ほどいて、
それができるようになった子から学力が伸びていく。
ここから考えられることは2通りあって、
1つは、中高生にとっても正しく勉強することや、話を聞くことは難しいのだから、
小学生にはそもそも高度な要求であるということ。
そしてもう1つは、中高生くらいまで年齢が上がってしまうと、
それまでについてしまった癖、敢えて言うなら悪癖を、そこから正すのは難しくて、
だからこそ小さいうちに、学ぶときの「姿勢」や「心構え」は身につけておいた方がいい
ということなのではないだろうか。
式を書くことや、図を丁寧に書くこと、あるいは漢字のとめはねはらい・・・
といった学習内容についての指示だけでなく、人が話をしているときには、
その人の目を見て、少なくとも、その人の方を向いて話を聞こうとか、
だらっとした姿勢ではなくて、背筋を伸ばして机に向かおうとか、
こういう指示や指導は、子どもにとっては、きっと面倒で鬱陶しい。
「人の話を聞く態度に見えない!」「人にモノを教わる態度じゃない!」
という注意(説教)自体が、◯◯ハラだと言われる時代である。
ここ数年、他塾のホームページやブログで冒頭の文言をよく目にするようになったのは、
10年20年前よりもさらにSNSの普及が進んだという理由だけでなく、
生徒に直接注意することでのリスクを回避する策なのかもしれない。
だが、そういったアドバイスや苦言をSNSにあげたところで、
届くべき人に届くかどうかは懐疑的である。