パッと見で、解けない算数の問題に直面したとする。
このとき、その問題にどう対応するか。
諦めて答えを見る人もいるだろう。
数学を苦手とする中高生の勉強法でよく目にする。
さすがに答えを見るのは抵抗があるらしく、類題や、その単元の説明を見る人もいる。
まぁ、(受験までの)時間には限りがあるから仕方ない部分もあるが、
解法を見ながら問題を解いたのでは、実際には、考える力も解く力もつかない。
友達に聞く人もいるかもしれない。
ごく稀に、(本当の意味で)教えるのが上手な子もいるが、たいていの場合、
友達に聞いて「よくわかった」「わかりやすかった」というのは危険である。
友達に教える場合、その質問してきた子が、答えを出せるように教えると思う。
しかし、「ここに補助線を引くとね!」とやってしまえば、
ただの計算問題になってしまう。
つまり、それ以降、自力で解けるようになるかどうかは怪しいのだ。
しかし、その子が他の問題で、あるいはテストで、
同様の問題を解けるようになっていなくても、そのお友達に責任はない。
とりあえず、(その解けない問題を)飛ばしておくという人もいると思う。
異論反論あると思うけれど、僕は、これはこれで正解だと考えている。
どんな問題であっても、どうにかしたら解けるなんて、そんなことはないだろう。
得手不得手はあるし、そのときは(たまたま)思いつかないことだってあると思う。
後回しにしておいたら、突然苦もなくできたということもある。
だが、できていない問題が山積していくのを見ると、大抵の場合、
子どもよりも親が先にブチ切れる音をあげる。
では、サーパスでは、ぱっと見で解けない問題をどうしてほしいかと言うと、
(もちろん、後回しにしてもいいのだけれど)
解き切れなくてもいいから、自分にできることをやってほしい!と思っている。
例えば、角度の問題なら、自力で出せる角度だけでも書き込んでほしい。
どこまでわかったかを(こちらが)目視できる状態にしてくれていれば、
(すなわち、どこまでわかっていて、どこからわかっていないかを把握できれば)
アドバイスのポイントがズレることもないし、今後の対策も取りやすい。
逆に言えば、どう考えたかを目視できる状態にしてくれていないと、
アドバイスのピントがズレる可能性が高くなる。
だから、質問に来る際は、
解いた(解こうとした)形跡を、自信がないからと消したりせず、
また、その途中式や図や筆算を、できるだけ丁寧に書いておくといい。
「ここまではわかったんですが、ここから先がわかりません!」
と、わかっていないところを先生に伝えようとしたら、
フッと、解き方を自分で思いつくこともよくある。
楽な道に逃げずに、自分の力でできることは全部やる。
その姿勢があれば十分伸びる。