授業でわからないことがあったとき

巷にあふれる中学受験情報の多くは、大手塾、
あるいは、それに近い生徒数を抱える塾に通っている人の情報である。

例えば、授業の中で理解しきれないことがあった場合にどうするか。

親が教えるというケースが一番多いだろうか。
しかし、中学受験経験者でなければ、
入試レベルの算数は、未経験者には結構キツイと思う。
また、教えること自体は可能かもしれないが、
我が子相手では、教える際に怒ってしまったり、
「こんなこともできないのか」「ウチの子には無理なのではないか」
などと、ガッカリしたりする。

 

家庭教師や個別と併用するケースもあるだろう。
大きな塾の中には、個別塾・個別授業も併設しているところがあるので、
そちらを勧められることもあるようだが、これはこれで難点がある。

まず、費用がかさむ。
そして、いい先生(力のある先生)に担当してもらえたならまだ良いのだが、
そうでなかった場合、無駄な時間と無駄なお金を使っただけになってしまう。

ここで言う力のある先生とは、教え方が丁寧でわかりやすいという意味ではない。

個別に教わっている場面を想像してほしい。授業時間は2時間としようか。
塾の授業で理解できなかったから、マンツーマンで教わろうとしている。
だから、その2時間、先生が(生徒が解くのを)じっと見守っているのでは困る。
わからないところを教えてもらいたいと思っている。
そして、当然ながら、個別の先生には、わかりやすい解説、丁寧な解説を期待する。

しかし、その先生が、通っている塾の教え方と違う教え方で教えてしまった場合、
もしくは、塾の先生よりも丁寧に教えすぎた場合、
おそらく、塾の授業についていくことが、さらに困難になると思う。
目先の問題の答えはわかるかもしれないが、わかったから尚更、
今後は授業がわからなくても、後で教えてもらえばいいや!と
塾の授業を大事にしなくなるからである。

塾の授業についていけるようにと考えたことが、
かえって集団授業に戻れなくさせる(可能性がある)という話なのだが、
(もちろん、これは親が教える場合も同様である。)
大きい塾に通っている場合、それでもこうするしか手がないかもしれない。
大きな塾では、授業中の質問や、個別の質問ができないことが多いからである。

 

だが、これは大手塾に通う子にとっての話であって、
サーパスに通う子にとっては、その通りではないのだ。
むしろ、せっかく小規模の塾に通っておいて、
大手塾にいるような過ごし方をするのは、もったいないと言わざるを得ない。
我が子が(塾の授業で)わかっていないところは、
家庭(や個別等)でフォローするしかない!という考え方は、
中学受験には大手塾が当然!と言わんばかりの世間の空気に
気づかぬうちに毒されてしまっていると言ってもいいのかもしれない。