入試の総括をする前に

「ウチの子、〇〇に入れたとして、ついていけるのでしょうか。」
「〇〇に入れても、1番下の層にいるのは辛いんじゃないかと思って。」
「それなら、1ランク下げたところに入って、その中の上位にいる方が…。」

このような相談をよく受ける。
だが、学校の先生に話を聞いてみると、よっぽど突き抜けた学力の子以外は、
「入学時の(入試での)点数と、その後の学力には、相関関係が見られず」
「中学1年生終了時の定期テストの成績と、その後の学力には関係がある。」
と、こういう話をされる。

すなわち、コツコツ勉強する習慣があるかどうか、
宿題や、授業の復習、科目によっては予習を継続してやれるかどうか、
の方が、入試の点数よりも、その後の学力に影響するということである。

 

もちろん、カンニングがバレなかったとか、
鉛筆転がしたら勘が当たっちゃったとか、
こういう合格の場合、入ってから落ちこぼれる可能性は高い。
また、親も家庭教師も総出で、どうにか無理やり押し込んだような場合は、
入学後も同じくらいのテンションで(しばらく)フォローし続けないと、
(自分だけでは勉強できずに)落ちこぼれる可能性がある。

だが、自分でちゃんと努力してきた結果の合格であれば、
過去問で一度も合格していなかったとしても、偏差値が届いていなかったとしても、
1次、 2次とダメで、3次試験でようやく合格したのだとしても、
あるいは繰り上げ合格だったとしても、それを気にすることはない。
堂々と進学すればいい。
(それを気にした結果、入学後も真面目に勉強するのはいいと思う。)

 

つまり、大事なことは、入試の時の学力ではなく、
入学後にもコツコツ勉強するかどうかという、勉強習慣の有無である。
入学後に、糸の切れた凧のように目標を見失ってしまうとか、
ご褒美に買ってもらったスマホの中毒になってしまうとか、
そういう方が、よっぽど学校の授業についていけなくなる。

そして、授業についていけないから塾に…という安易な発想は危険だ。
塾に通ったところで、結局のところは、
自分でやるべきことをやらなければ、できるようにはならない。
学校の課題と塾の宿題とで、どっちつかずになるのがオチだ。

 

入試が終わって遊びたい気持ちはわかる。思う存分遊べばいい!
だけど、せっかくついた勉強習慣をゼロにするのはもったいない。
一度完全に止まってしまうと、そこから動き出すには、
かなりのエネルギーを必要とする。後で余計に面倒なことになる。
終わったばかりの今、ちょっとはゆっくりしたいところだろうけど、
実は結構大事な時期なのだよ!